Claude Code(Anthropic CLI)の MCP(Model Context Protocol)は、AIエージェントから外部ツールに安全にアクセスするためのオープンな規格(プロトコル)。本記事では、業務導入する5ステップと、claude mcp add・.mcp.json の設定例、主要な MCP サーバーの公式の接続方法を解説します。
Claude Code MCP とは
MCP(Model Context Protocol)は Anthropic が2024年11月に公開したオープン標準で、Claude をはじめとする AIエージェントから外部ツール・データソースに安全にアクセスするための仕組みです(出典:Anthropic 公式 MCP仕様書)。
従来手法との違い
| 項目 | ChatGPT | Claude Code |
|---|---|---|
| 外部ツール連携 | アプリ(connected apps)と、カスタム MCP サーバー | MCP サーバー |
| つなげる MCP サーバー | リモート(公開された HTTPS)のみ。手元のサーバーは Secure MCP Tunnel を使う | 手元で動かすサーバー(stdio)とリモート(HTTP)の両方 |
| カスタム MCP サーバーを使えるプラン | Business・Enterprise・Edu は書き込みを含む全機能、Pro は読み取りのみ | Claude Code を使えるプラン(Pro 以上)か API |
| 追加のしかた | 管理者などが[Plugins]から追加し、ワークスペースに公開 | claude mcp add の1コマンド、または .mcp.json |
出典:OpenAI ヘルプ「ChatGPT でのカスタム MCP サーバーへの接続」、Claude Code 公式ドキュメント「Connect Claude Code to tools via MCP」、Claude の料金(いずれも2026-10-20確認)
MCP の設定の基本(claude mcp add と .mcp.json)
Claude Code では、MCP サーバーを settings.json ではなく、次のどちらかで登録します(Claude Code 公式ドキュメント「Connect Claude Code to tools via MCP」、2026-10-20確認)。
| 使い方 | 登録のしかた | 保存先 |
|---|---|---|
| 自分だけ・このプロジェクトだけで使う(既定) | claude mcp add | ~/.claude.json |
| 自分だけ・すべてのプロジェクトで使う | claude mcp add --scope user | ~/.claude.json |
| チームで共有する | claude mcp add --scope project、または .mcp.json に直接書く | プロジェクト直下の .mcp.json |
チームで共有する .mcp.json の例です(GitHub 公式の MCP サーバーと、MCP の参照実装の Filesystem サーバー)。
{
"mcpServers": {
"github": {
"command": "docker",
"args": ["run", "-i", "--rm", "-e", "GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN", "ghcr.io/github/github-mcp-server"],
"env": {
"GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN": "${GITHUB_PAT}"
}
},
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "/path/to/allowed/files"]
}
}
}
- GitHub:GitHub が公開する
github/github-mcp-serverを使います(Docker のイメージghcr.io/github/github-mcp-server。個人用アクセストークンは環境変数GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKENで渡す)。以前よく使われた@modelcontextprotocol/server-githubは保守を終え、npm でも「サポート終了」と表示されています(いずれも2026-10-20確認) - 環境変数:
${GITHUB_PAT}のように書くと、.mcp.jsonは環境変数から値を読みます。トークンをファイルに直接書かないでください - Filesystem:
/path/to/allowed/filesには、読み書きを許すフォルダだけを指定します。MCP の参照実装のサーバーは、機能を示すための参照実装で本番向けの完成品ではない、と公式の README に書かれています - Slack:Slack 公式の MCP サーバー(
https://mcp.slack.com/mcp)を、Slack のプラグイン(claude plugin install slack)で追加し、OAuth で認証します。ワークスペースの管理者が MCP の連携を承認している必要があります(Slack の開発者向け文書、2026-10-20確認)。以前の@modelcontextprotocol/server-slackも保守を終えています
業務導入する5ステップ
Step 1: 業務要件の整理(30分)
「どの業務を AIで自動化したいか」をリストアップ:
- エンジニア: GitHub PR作成・コードレビュー・コミット管理
- マーケ: GA4分析・GSC データ取得・Ahrefs SEO監査
- 営業: Salesforce / HubSpot のリード管理・メール作成
- 総務: Notion / Google Workspace の文書検索・要約
Step 2: 必要なMCPサーバーの選定
主要な MCP サーバーの一覧です(提供元の README・文書で2026-10-20に確認)。ほかの MCP サーバーは MCP Registry で探せます。
| MCP サーバー | 提供元 | 役割 | 推奨業務 |
|---|---|---|---|
github/github-mcp-server(Docker か、リモートの https://api.githubcopilot.com/mcp) | GitHub 公式 | GitHub API | エンジニア |
Slack の MCP サーバー(https://mcp.slack.com/mcp) | Slack 公式 | Slack | コミュニケーション |
@modelcontextprotocol/server-filesystem | MCP の参照実装 | ローカルのファイル | 共通 |
analytics-mcp(Google Analytics MCP Server・Experimental) | Google 公式 | Google Analytics 4 | マーケ |
google-searchconsole-mcp | コミュニティ | Search Console | SEO |
@danielsogl/lighthouse-mcp | コミュニティ | Lighthouse | パフォーマンス |
Maps Grounding Lite(https://mapstools.googleapis.com/mcp) | Google 公式 | Google マップの場所・ルート・天気 | 営業 |
Google マップの MCP は、以前の @modelcontextprotocol/server-google-maps が保守を終えたため、Google Maps Platform の Maps Grounding Lite を載せています。使うには、Google Cloud のプロジェクトで Maps Grounding Lite API を有効にし、API キーか OAuth のクライアントを用意します(Google の文書、2026-10-20確認)。
Step 3: Claude Code への登録
各 MCP サーバーの公式の README に従って登録します。例えば Google 公式の Google Analytics MCP Server は、README に Claude Code 用のコマンドが載っています(2026-10-20確認)。
claude mcp add analytics-mcp \
--scope user \
-e "GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS=PATH_TO_CREDENTIALS_JSON" \
-e "GOOGLE_PROJECT_ID=YOUR_PROJECT_ID" \
-- pipx run analytics-mcp
事前に pipx を入れ、Google Cloud のプロジェクトで Google Analytics Admin API と Data API を有効にし、読み取り専用のスコープ(analytics.readonly)を含む認証情報(ADC)を用意します。
重要: API キー・トークンはファイルに直接書かず、環境変数で渡します(.mcp.json は ${変数名} で環境変数を読めます)。鍵のファイルを手元に置く場合は、ファイル権限を 600 にします。
Step 4: 接続の確認
ターミナルで claude mcp list を実行するか、Claude Code の中で /mcp を開いて、接続できているかを確かめます。プロジェクトの .mcp.json に書いたサーバーは、初めて使うときに承認が必要です。Claude Desktop で使う場合は、設定ファイル(claude_desktop_config.json)を保存してからアプリを再起動します。
Step 5: 動作確認とプロンプト設計
接続テスト:
- 「GitHub の組織 X のPR一覧を取得して」
- 「Slack の #general チャンネルに『お疲れさまでした』と送って」
- 「GA4 で過去7日のセッション数を出して」
プロンプトテンプレートを業務別に作成し、CLAUDE.md(チーム共有ファイル)に記載すると効率化が加速。
法人活用の3パターン
以下はチーム構成ごとの MCP の組み合わせ例(モデルケース)です。削減時間は想定の目安で、実際の効果は業務量や運用によって変わります。
パターン1: エンジニアチーム(5名規模)
- GitHub + Slack + Filesystem MCP
- 月20〜40時間の削減(PR作成・コードレビュー・PRノート生成)
パターン2: マーケチーム(3名規模)
- GA4 + Search Console + Ahrefs + Lighthouse MCP
- 月15〜30時間の削減(SEO監査・週次レポート自動化)
パターン3: 営業チーム(10名規模)
- Salesforce / HubSpot MCP + Slack + Filesystem
- 月30〜60時間の削減(提案書作成・顧客情報更新)
セキュリティの注意点
- アクセストークンの最小権限: 必要な操作だけに限定
- MFA 強制: 各サービスで二要素認証
- 監査ログ: GitHub Audit Log・Slack Audit Log を有効化
- 書き込み権限の慎重設定: 本番環境への直接書き込みは別承認フロー
- チーム共有時の認証: 個人トークンではなく、Service Account / Bot Token を使用
当社の Claude Code 業務導入支援
当社の Claude Code 業務導入研修では、次の内容で MCP の業務導入を支援します:
- 4つの研修(環境構築・MCP連携・業務別プロンプト設計・チーム展開とセキュリティ。合計10〜20時間)
- settings.json の設定代行(Claude Code の権限などの設定。業務要件のヒアリング込み)
- 主要MCPの接続テスト・初期設定(GitHub・Slack・GA4・GSC など)
- 業務プロンプト集(テンプレート)
- 3ヶ月のフォローアップ
330,000円〜(税抜・10〜20時間のプログラム)。合計10〜20時間のプログラムのため、人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の対象になり得ます(合計10時間に満たない半日・1日の研修は対象外。支給の可否・金額は審査で決まります)。settings.json の設定代行など訓練以外の費用は対象外になり得るほか、助成金は訓練後の支給申請・審査を経て支給されるため、それまでは費用の立て替えが必要です。令和8年8月3日の改正で、同コースでは汎用的なプロンプトの作り方など、職務に間接的に必要な内容や職業人に共通する内容の訓練が対象外になったため、最終判断は労働局への事前相談をおすすめします。当社は申請の代行をしていません(申請書類の作成・提出の代行は社会保険労務士にご依頼ください)。
参考文献
- Model Context Protocol 公式
- Claude Code 公式ドキュメント
- Claude Code 公式ドキュメント「Connect Claude Code to tools via MCP」(2026-10-20確認。claude mcp add、スコープと保存先、.mcp.json の環境変数の展開、Claude Desktop からの取り込み)
- MCP Servers (GitHub)(2026-10-20確認。参照実装の一覧と、保守を終えたサーバー)
- MCP Registry
- GitHub「github/github-mcp-server」(2026-10-20確認。Claude Code での設定、Docker のイメージ、環境変数)
- Slack「Slack MCP server」(2026-10-20確認。接続先、Claude Code のプラグイン、管理者の承認)
- GitHub「googleanalytics/google-analytics-mcp」(2026-10-20確認。Claude Code のコマンドと認証)
- npm「google-searchconsole-mcp」(2026-10-20確認)
- GitHub「danielsogl/lighthouse-mcp-server」(2026-10-20確認)
- Google Maps Platform「Maps Grounding Lite」(2026-10-20確認。MCP サーバーの URL と準備)
- OpenAI ヘルプ「ChatGPT でのカスタム MCP サーバーへの接続」(2026-10-20確認。対象プラン、リモートの MCP サーバー)
- 厚生労働省 人材開発支援助成金
- 厚生労働省 令和8年8月3日からの変更点について(事業展開等リスキリング支援コース)