AI研修が人材開発支援助成金の対象になり得るのは、少なくとも ① OFF-JT で実訓練時間数が合計10時間以上、② 受講者が雇用保険被保険者、③ 訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に職業訓練実施計画届を提出、の3条件を満たす場合です。さらに令和8年8月3日改正後の事業展開等リスキリング支援コースでは、DX化に関する訓練でも、汎用的なプロンプトの作り方を学ぶだけのような、職務に間接的に必要な内容や職業人として共通に必要な内容は対象外になりました(出典: 厚生労働省 人材開発支援助成金)。
当社のライト(半日)150,000円/人・スタンダード(1日)300,000円/人は、単体では合計10時間に満たないため対象外です。 対象になり得るのは、Claude Code 業務導入研修(合計10〜20時間・330,000円〜)や伴走定着(組織・500,000円/月)のように、合計10時間以上になるよう組んだプログラムです(伴走定着(組織)で対象になり得るのは研修(OFF-JT)部分です)。
最終判断は管轄の労働局への事前相談で行ってください。 支給の可否は労働局が判断するもので、当社を含む研修会社が「対象です」と確約することはできません。この記事では、検討中の研修が対象になるかを項目ごとに判定できるようにまとめました。制度の全体像・コース別の詳細・申請手順はAI研修の助成金 申請手順にまとめています。
結論:少なくともこの5条件を満たす必要がある
| 条件 | 内容 | よくある不適合 |
|---|---|---|
| ① 訓練時間 | OFF-JT で実訓練時間数が合計10時間以上(休憩・移動・対象外のカリキュラムの時間を除く) | 合計10時間に満たない研修(半日や1日だけの研修の多く) |
| ② 訓練形式 | OFF-JT(業務から離れた座学・演習) | 業務内で教えるOJT |
| ③ 受講者 | 雇用保険被保険者である従業員 | 事業主本人・役員のみの受講 |
| ④ 事前手続 | 訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に計画届を提出 | 研修を実施してから申請しようとする |
| ⑤ 訓練内容 | 受講者の職務に直接必要な専門的な知識・技能 | 汎用的なプロンプトの作り方や、DXの概念理解だけで終わる研修 |
1つでも欠けると支給されません。 特に①と④は後から取り返しがつかないため、研修の内容を詰める前に確認してください。⑤は令和8年8月3日改正で、事業展開等リスキリング支援コースのDX化・GX化に関する訓練にも適用されるようになった基準です(人材育成支援コースでは改正前から同じ扱いです)。
自社の研修が対象か判定するチェックリスト
上から順に確認してください。1つでも「いいえ」があれば、その時点で対象外か、設計の見直しが必要です。
- 実訓練時間数が 10時間以上 ある(昼食などの休憩・移動・対象外のカリキュラムの時間は含めない)
- 業務から離れた形式(OFF-JT)で実施する
- 受講者は雇用保険の被保険者である
- 計画届の提出期限(訓練開始日の 1か月前)までに余裕がある
- カリキュラムと対象労働者一覧を書面で用意できる
- 訓練日ごとの出欠と開始・終了時刻を記録できる
- 講師の要件(事業内訓練)または教育訓練機関の要件(事業外訓練)を満たせる
- 訓練内容が受講者の職務に直接必要な専門的な知識・技能である(事業展開等リスキリング支援コースでは、事業展開やDX化などとの関連も必要)
すべて「はい」であれば、管轄の労働局へ事前相談に進んでください。
対象になる研修・ならない研修の具体例
対象になり得る設計
| 研修の形 | 時間 | 判定のポイント |
|---|---|---|
| 2日間の集合研修(昼食休憩を除き1日8時間×2) | 16時間 | 時間要件を満たす |
| 週1回3時間×4週の分割研修 | 12時間 | 分割していても合計で判定される |
| Claude Code業務導入研修 | 合計10〜20時間 | 実装演習を含む長時間プログラム(設定代行など訓練以外の費用は対象外になり得る) |
| 伴走定着(組織)の研修セッション | 積み上げ | 対象になり得るのは研修(OFF-JT)部分のみ。計画届に全日程を記載する必要がある |
時間要件を満たしていても、令和8年8月3日以降に計画届を出す場合、汎用的なプロンプトの作り方だけを学ぶ内容は事業展開等リスキリング支援コースの対象外です。受講者の具体的な業務に直結する演習で組み立ててください。
対象にならない設計
| 研修の形 | 時間 | 対象外の理由 |
|---|---|---|
| 半日セミナー | 約4時間 | 時間要件(10時間)を満たさない |
| 1日研修 | 約8時間 | 同上。惜しいが2時間足りない |
| 業務中に先輩が教える | — | OJTは対象外 |
| 事業主・役員のみの受講 | — | 雇用保険被保険者ではない |
| 実施後に申請する | — | 事前の計画届が必須 |
| 汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ研修 | — | 特定の業務への具体的な適用を伴わない汎用的な内容(令和8年8月3日改正) |
| DXの概念・デジタル技術の概要だけを学ぶ研修 | — | 共通知識の習得にとどまり、業務に直接適用される内容ではない |
「1日研修だから8時間で足りるはず」はよくある誤解です。 助成金の活用を前提にするなら、最初から合計10時間以上になるよう設計してください。
よくある誤解トップ5
1. 「AI研修なら何でも対象になる」
対象になるかどうかは、制度の要件を満たす訓練の形式・時間と、受講者の職務との関連で決まり、テーマがAIかどうかで決まるわけではありません。令和8年8月3日の改正で、事業展開等リスキリング支援コースのDX化・GX化に関する訓練でも、職業・職務に間接的に必要となる内容や、職業人として共通して必要となる内容は対象外になりました。厚生労働省のリーフレットの例では、「生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練」は対象外、「生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練」は対象です。
2. 「eラーニングのほうが安いから有利」
eラーニング・通信制訓練も対象になり得ますが、令和8年4月8日の改正で、事業展開等リスキリング支援コースなどでは経費助成の限度額が時間数にかかわらず中小企業事業主15万円・大企業10万円になりました。eラーニング・通信制は賃金助成の対象外です。さらに令和8年8月3日の改正で、事業展開等リスキリング支援コースでは、eラーニングによる訓練(ほかの実施方法と組み合わせる場合を含む)の受講は同一の労働者につき1年度1回までになりました。集合研修と比べて助成額が下がるため、助成後の負担額で比較してください。
3. 「申請は研修が終わってからでいい」
支給申請は訓練終了日の翌日から2か月以内ですが、その前に職業訓練実施計画届を訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に出す必要があります。この順序を逆にすると、どれだけ内容の良い研修でも支給されません。
4. 「出席さえしていれば書類は後で整えられる」
出欠や受講時間の記録に不備があると、受講時間を確認できず不支給になるおそれがあります。開始時刻・終了時刻を毎回記録してください。提出書類は、原本から転記したものや別途作成したものと確認されると無効になります。
5. 「最大75%だから、費用の75%が戻る」
75%は事業展開等リスキリング支援コースの、中小企業事業主の区分での経費助成の率の上限です(大企業は60%)。経費助成には1人1訓練あたりの限度額があり、同コースでは実訓練時間数10時間以上100時間未満で中小企業事業主30万円・大企業20万円です。実際の支給額は「対象経費 × 助成率」と「限度額」の低いほうで、支給は訓練後の審査を経てからです。
3つのコースの違いと選び方
AI研修で検討されるのは人材開発支援助成金の3コースです。いずれも実訓練時間数10時間以上が前提です。
| コース | 経費助成率 | 賃金助成(1人1時間あたり) | 期限 |
|---|---|---|---|
| 事業展開等リスキリング支援コース | 中小企業事業主 75%・大企業 60%(設備投資加算は中小企業事業主のみ導入費用の50%・要件あり) | 中小企業事業主 1,000円・大企業 500円 | 令和8年度末までの時限措置 |
| 人への投資促進コース(高度デジタル人材訓練) | 中小企業事業主 75%・大企業 60% | 中小企業事業主 1,000円・大企業 500円 | 令和8年度末までの時限措置 |
| 人材育成支援コース(人材育成訓練) | 正規雇用労働者等は中小企業事業主 45%・大企業 30%、有期契約労働者等は70%(賃金要件等を満たすと各+15%) | 中小企業事業主 800円・大企業 400円(賃金要件等を満たすと1,000円・500円) | 時限措置の対象外 |
出典:厚生労働省 人材開発支援助成金(各コースの令和8年8月3日版パンフレット)。改正の一次資料は記事末尾の「出典」を参照
事業展開等リスキリング支援コースは、事業展開やDX化・GX化などに伴って業務に必要となる専門的な知識・技能の訓練が対象です。生成AIの業務導入は候補になり得ますが、令和8年8月3日の改正で、DX化に関する訓練でも汎用的な内容は対象外になりました。受講者の具体的な業務に直結するカリキュラムにすることが前提です。人への投資促進コース(高度デジタル人材訓練)は、高度なデジタル人材を育成するための訓練が対象です。なお、事業展開等リスキリング支援コースは令和4〜8年度の期間限定の制度で、令和9年度以降の継続は現時点で未確定です。
【2026年9月19日更新】令和8年8月3日改正で変わった点
事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年8月3日に改正されました。
| 改正項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象外となる訓練 | DX化・GX化に関する訓練であっても、職業・職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させるものや、職業・職務の種類を問わず職業人として共通して必要となるものは対象外(例: 汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練)。人材育成支援コースでは改正前から対象外 |
| 受講回数の上限 | 上限は改正前から同一の労働者につき1年度3回。このうちeラーニングによる訓練(ほかの実施方法と組み合わせる場合を含む)は1回までに |
| 経過措置 | 令和8年8月2日以前に計画届を提出した訓練は従前の支給要領。8月3日以降の提出でも、事業外訓練で教育訓練機関との契約・申込が8月2日以前なら、対象外訓練の扱いは令和8年5月14日改正の支給要領(事業内訓練は、関連する契約・申込・発注のいずれかが8月2日以前の場合)。詳細は支給要領の1401・1402 |
出典: 令和8年8月3日からの変更点について(厚生労働省リーフレット・PDF)、事業展開等リスキリング支援コース 支給要領(令和8年8月3日版・PDF)
その前の改正:令和8年4月8日改正で変わった点
| 改正項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業展開等リスキリング支援コース | 設備投資加算(導入費用の50%・1人15万円/10人以上150万円。中小企業事業主のみ・賃金要件などあり)が新設 |
| 人材育成支援コース | 中高年齢者実習型訓練(45歳以上対象)が新設 |
| 人への投資促進コース | 長期教育訓練休暇制度に新規採用助成・職務代行助成を追加 |
| 事業展開等リスキリング支援コース・人への投資促進コース | eラーニング・通信制訓練の経費助成の限度額を、時間数にかかわらず中小企業事業主15万円・大企業10万円に見直し |
改正内容の詳細は人材開発支援助成金 令和8年4月8日改正の要点にまとめています。
対象と判定できたら、次にやること
- 管轄の労働局に事前相談する — カリキュラム案と受講予定者の職務がわかる資料を持参する
- 研修日を仮決めする — 計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に提出。逆算して日程を押さえる
- 計画届の書類を準備する — 職業訓練実施計画届・対象労働者一覧・訓練カリキュラム等(事業展開等リスキリング支援コースは事業展開等実施計画も)
- 出席記録のフォーマットを用意する — 訓練日ごとの出欠と開始/終了時刻を記録できるようにする
助成額の計算方法・コース別の詳細要件・提出書類の一覧は、AI研修の助成金 申請手順で解説しています。
当社が合わないケース
「まず半日だけ試したい」という段階では、助成金は使えません。 当社のライト(半日)・スタンダード(1日)は単体では合計10時間に満たないため、全額自己負担になります。
助成金の活用を前提にするなら、最初から合計10時間以上になるよう組んだ研修(Claude Code業務導入研修(合計10〜20時間)、伴走定着(組織)など)を選んでください。逆に「効果を確かめてから本格導入を判断したい」場合は、半日研修を自己負担で実施し、手応えを見てから対象プログラムに移る進め方が現実的です。
どちらが適しているかは、初回相談で状況を伺ったうえでお伝えします。
当社のAI研修と、助成金の対象になるプログラム
| プラン | 料金(税抜) | 助成金 |
|---|---|---|
| ライト(半日) | 150,000円/人(5名様〜) | 対象外(単体では合計10時間に満たない) |
| スタンダード(1日) | 300,000円/人(5名様〜) | 対象外(単体では合計10時間に満たない) |
| Claude Code業務導入研修(合計10〜20時間) | 330,000円〜/プログラム | 対象になり得る(設定代行など訓練以外の費用は対象外になり得る) |
| 伴走(個人) | 100,000円/月 | 内容により要相談 |
| 伴走定着(組織) | 500,000円/月 | 研修(OFF-JT)部分が対象になり得る(運用ルールの設計などの支援は対象外になり得る) |
対象になり得るプログラムでは、計画届に記載する訓練内容・カリキュラム情報のご提供と、研修側で発行する書類(カリキュラム・講師の経歴・見積書・受講記録・修了証明・領収書など)のご用意に対応します。申請書類(計画届・支給申請書)の作成・提出は事業主ご自身で行っていただくか、代行が必要な場合は社会保険労務士にご依頼ください。
初回30分の相談は無料・オンライン対応・秘密厳守です。「うちの研修は対象になり得るのか」の考え方だけでもご説明します(最終的な確認は労働局への事前相談をおすすめします)。
まとめ
- 前提は 実訓練時間数10時間以上 のOFF-JT。合計10時間に満たない研修(半日や1日だけの研修の多く)は対象外
- 判定は「時間・形式・受講者・事前手続・訓練内容」の5条件を満たすかで決まる
- 令和8年8月3日改正で、汎用的なプロンプトの作り方だけを学ぶ研修などは事業展開等リスキリング支援コースの対象外
- よくある誤解は「1日研修(8時間)で足りる」。2時間足りない
- 計画届は訓練開始日の 6か月前から1か月前まで の間に提出。実施後の申請はできない
- 「最大75%」は事業展開等リスキリング支援コースの中小企業事業主の率の上限であり、限度額と比べて低いほうが支給され得る。最終判断は労働局への事前相談で
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出典
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」 — 制度の公式ページ。各コースの支給要領・パンフレット・Q&A
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について(厚生労働省・PDF)
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版・令和8年8月3日版・PDF) — 助成率・限度額・対象とならない訓練
- 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内(令和8年8月3日版・PDF)
- 人材開発支援助成金(コース共通)改正:令和8年4月8日からの変更点について(厚生労働省・PDF)
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:設備投資加算を新設しました(厚生労働省・PDF)
- 事業展開等リスキリング支援コース 支給要領(厚生労働省・PDF) — 訓練時間・対象者・限度額の一次資料