令和8年度(2026年度)の人材開発支援助成金は、令和8年4月8日の厚生労働省の改正で4点が変わりました。①事業展開等リスキリング支援コースの「設備投資加算」新設、②人材育成支援コースの「中高年齢者実習型訓練」新設、③人への投資促進コースの「新規採用助成・職務代行助成」追加、④事業展開等リスキリング支援コースのeラーニング・通信制による訓練の経費助成上限を中小企業事業主15万円・大企業10万円に見直し——の4点です。さらに令和8年8月3日には、事業展開等リスキリング支援コースで対象外となる訓練と、eラーニングの受講回数が変わりました。本記事では、AI研修・DX研修を検討している経営者・人事担当者向けに、厚生労働省のリーフレットとパンフレット(令和8年8月3日版)をもとに改正内容の要点を解説します。
【重要】時限措置について
- 「人への投資促進コース」と「事業展開等リスキリング支援コース」は令和4年度〜令和8年度の期間限定の助成で、令和8年度(2026年度)が最終年度です。令和9年度以降の取扱いは、令和8年8月3日時点のパンフレットでは示されていません。活用を検討中の企業は、早めに労働局へ相談することをおすすめします。
- 令和8年8月3日にも、事業展開等リスキリング支援コースの変更がありました(次の節で解説します)。
【2026年9月19日更新】令和8年8月3日からの変更点(事業展開等リスキリング支援コース)
令和8年8月3日以降に提出する計画届から、事業展開等リスキリング支援コースで次の2点が変わりました。助成率・助成額は変わっていません。
| 変更点 | 内容 |
|---|---|
| 対象とならない訓練 | DX化・GX化に関する訓練であっても、職業・職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させるものや、職業・職務の種類を問わず職業人として共通して必要となるものは助成対象外 |
| 受講回数の上限 | 同一の労働者につき1年度3回まで(改正前からの上限)のうち、eラーニングによる訓練(ほかの実施方法と組み合わせる場合を含む)は1回まで |
リーフレットでは、生成AIに関する例として次の2つが示されています。
- 助成対象:生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練(営業担当者の具体的な業務に直結し、そのまま活用できる内容)
- 助成対象外:生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練(特定の業務への具体的な適用を伴わない汎用的な内容)
人材育成支援コースでは、職務に間接的に必要となるものや職業人として共通して必要となるものは、改正前から対象外です。今回の改正で変わったのは、事業展開等リスキリング支援コースでDX化・GX化に関する訓練をこれらの対象外から除いていた扱いがなくなった点です。
経過措置:8月2日以前に計画届を提出した訓練は、従前の支給要領が適用されます。8月3日以降に提出した場合でも、事業外訓練で教育訓練機関との契約・申込が8月2日以前なら、対象外となる訓練の判断には5月14日改正の支給要領が適用され、eラーニングの受講回数の制限にも算入されません。事業内訓練は、訓練に関連する経費の契約・申込・発注のいずれかが8月2日以前であれば、対象外となる訓練の判断に5月14日改正の支給要領が適用されます。詳しくは支給要領の1401・1402をご確認ください。
出典:厚生労働省 リーフレット「令和8年8月3日からの変更点について」、事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和8年8月3日版)、同コース 支給要領(令和8年8月3日版)
令和8年4月8日改正の4つのポイント
厚生労働省が2026年4月8日に公表した人材開発支援助成金のリーフレット(令和8年4月8日付)には、次の4つの大きな改正が盛り込まれました。
| 改正項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業展開等リスキリング支援コース | 設備投資加算新設(導入費用の50%・1人15万円/10人以上150万円) |
| 人材育成支援コース | 中高年齢者実習型訓練新設(45歳以上対象) |
| 人への投資促進コース | 長期教育訓練休暇制度に新規採用助成・職務代行助成追加 |
| 事業展開等リスキリング支援コース | eラーニング・通信制による訓練の経費助成上限を中小企業事業主15万円・大企業10万円に見直し |
設備投資加算の新設と中高年齢者実習型訓練の追加は、AI・DX人材育成を進める会社(設備投資加算は中小企業事業主のみ)にとって追い風となる改正です。一方、eラーニング・通信制の上限の見直しは上限の引き下げにあたるため、研修形式の選択に注意が必要です。
ポイント1:事業展開等リスキリング支援コース「設備投資加算」新設
設備投資加算とは
事業展開等リスキリング支援コースの訓練で習得した知識・技能を活用するための機器・設備等(事業展開促進機器等)を、訓練終了後に新たに導入した場合、通常分の助成とは別に導入費用の50%(中小企業事業主のみ)が支給される制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成率 | 導入費用の50%(中小企業事業主のみ) |
| 上限 | 支給対象労働者1人につき15万円、10人以上の場合は150万円(1訓練1事業所あたり) |
| 対象となる訓練 | 事業展開・DX化・GX化に関する訓練(人事及び人材育成に関する計画に基づく訓練を除く)で、通学制または同時双方向型の通信訓練(eラーニング等との組み合わせも可)により、実技で機器・設備等を実際に使うもの |
| 対象機器の要件 | 実技で実際に使う機器・設備等と同種で、事業展開等に資するもの。導入費用10万円以上(消費税込み)。訓練終了後、設備投資加算の支給申請日までに新たに導入 |
| 導入方法・費用 | 購入、リース契約、ライセンス契約、既存の機器等の変更。設定費用や設置・撤去費用も含む。リース契約等は当初の契約期間の総契約額から1年分を算出した額。データベース構築・システム導入・専用アプリ開発の経費も対象 |
| 対象外 | パソコン・タブレット端末・スマートフォンとその周辺機器、汎用事務機器、特殊用途自動車以外の自動車、経営コンサルタント料・顧問料等、空調設備など |
| 追加要件 | 訓練終了日の翌日から1年以内に、全ての対象労働者の賃金を5%以上増額(資格等手当の場合は3%以上) |
| 計画届の提出時 | 設備投資加算に係る設備投資実施計画(様式第21号)、導入予定の機器等の見積書2社分などを提出 |
出典:厚生労働省 リーフレット「設備投資加算を新設しました」、事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和8年8月3日版)
重要: 設備投資加算は、単に設備を導入すれば受給できるわけではなく、訓練後の賃金引上げが必須要件です。1年以内に5%以上の賃金増額(または資格等手当で3%以上の増額)を行わないと加算を受けられません。研修計画と同時に、賃金改定計画の立案が必要です。
AI研修での活用イメージ
生成AI研修で設備投資加算を検討する場合、訓練の実技で実際に使うものと同種であることが前提です。例えば次のようなものが検討対象になり得ます。
- 訓練の実技で使うAI関連システムのライセンス(ライセンス契約)
- 訓練で習得した技能を活用するデータベース構築・システム導入・専用アプリ開発
- 推論用サーバーなど、訓練の実技で使う専用の機器
一方、パソコン・タブレット端末・スマートフォンとその周辺機器は対象外で、高性能なものでもパソコンは対象になりません。ワークステーションがこれに当たるかは労働局への確認が必要です。「通常の事業活動の維持のために用いるもの」も対象にならず、訓練内容との直接的な関連性が必要です。なお、AIツールの導入費用を研修費用として経費助成に含めることはできません(パンフレットは、AI研修とAIツールの導入をセットにすれば導入費用も研修費用として申請できる、という勧誘に注意を呼びかけています)。
経費助成限度額は改正前と同じ
事業展開等リスキリング支援コースの経費助成限度額(通学制・同時双方向型の通信訓練の場合)は、改正前(令和8年3月2日版のパンフレット)から変わっていません。
| 訓練時間 | 経費助成限度額(中小企業事業主) | 経費助成限度額(大企業) |
|---|---|---|
| 10時間以上〜100時間未満 | 30万円 | 20万円 |
| 100時間以上〜200時間未満 | 40万円 | 25万円 |
| 200時間以上 | 50万円 | 30万円 |
出典:厚生労働省『人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内』令和8年8月3日版
令和8年4月8日改正の目玉は、この経費助成に設備投資加算を上乗せできるようになった点です。AI機器・DX関連機器の導入を検討中の中小企業事業主に該当する会社にとって、研修と機器の導入をあわせて検討するきっかけになります。
ポイント2:人材育成支援コース「中高年齢者実習型訓練」新設
制度の概要
45歳以上の労働者(訓練開始日時点)を対象に、OJT(実務研修)とOFF-JT(座学研修)を組み合わせた訓練を助成する、人材育成支援コースの新しい訓練メニューです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 45歳以上(訓練開始日時点)の被保険者 |
| 訓練形式 | OFF-JT+OJT の組み合わせ |
| OFF-JT経費助成率(中小企業事業主) | 60%(賃金要件等を満たす場合:75%) |
| OFF-JT経費助成率(大企業) | 45%(賃金要件等を満たす場合:60%) |
| OFF-JT賃金助成(中小企業事業主) | 800円/時間(賃金要件等を満たす場合:1,000円/時間) |
| OJT実施助成額(中小企業事業主) | 1人1コースあたり10万円(賃金要件等を満たす場合:13万円) |
| 主な要件 | 訓練実施期間2か月以上、総訓練時間数が6か月あたり425時間以上、OJTの割合1割以上9割以下、OFF-JTは通学制または同時双方向型で10時間以上、キャリアコンサルティングの実施、訓練後のジョブ・カードによる評価など |
出典:厚生労働省 リーフレット「中高年齢者実習型訓練を新設しました」、人材育成支援コースのご案内(令和8年8月3日版)
これまでの実習型訓練との違い
人材育成支援コースでOJTとOFF-JTを組み合わせる訓練メニューは、これまで新卒者等向けの認定実習併用職業訓練と、有期契約労働者等の正社員転換を目的とする有期実習型訓練でした。中高年齢者実習型訓練は、45歳以上の労働者を対象に同じ形式の訓練を助成するものです。
リーフレットの活用例には、基幹システムの刷新を機に、中高年の事務スタッフへOJT(新システムの操作方法の習得、紙資料のデジタル化業務の実践など)とOFF-JT(AIツール活用講座、情報セキュリティ基礎研修など)を組み合わせて実施する例が挙げられています。
AI研修での活用例
生成AIの活用を含む訓練で検討する場合も、上の要件を満たすOJTとOFF-JTの計画を組むことが前提です。
- 管理部門へ配置転換する45歳以上の社員に、OJTで新しい業務を担当させながら、OFF-JTでその業務に使うAIツールやデータ分析の手法を学ばせる
- 業務システムの刷新に伴い、ベテラン社員にOJTで新システムを使った業務を実践させ、OFF-JTで関連する知識を学ばせる
- 工場・現場作業のデジタル化に伴い、現場のベテラン社員をデータ分析・AIツール活用の担当に育成する
ポイント3:人への投資促進コース「新規採用助成・職務代行助成」追加
制度の概要
人への投資促進コースの「長期教育訓練休暇制度」に、新たな助成が追加されました。長期教育訓練休暇を取得した労働者の業務を代替する体制づくりを支援する内容です。
| 助成名 | 助成内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 新規採用助成(中小企業事業主のみ) | 業務代替期間に応じて 27万円(30日以上90日未満)/ 45万円(90日以上180日未満)/ 67.5万円(180日以上) | 休暇取得者の業務を代替する労働者を新たに雇い入れた(または派遣を受け入れた)場合 |
| 職務代行助成(中小企業事業主のみ) | 業務代替者に支払った手当の75%(月上限16万円) | 社内の他の労働者に休暇取得者の業務を代替させ、就業規則等に定めた手当を支払った場合 |
出典:厚生労働省 リーフレット「新規採用助成・職務代行助成を追加しました」、教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コースのご案内(令和8年8月3日版)
なお、新規採用助成・職務代行助成は、有給の長期教育訓練休暇を付与する場合に限られます。また、新規採用助成は、業務代替期間が30日未満の場合は支給されません。
「教育訓練休暇を取らせたくても業務が回らない」の課題解消
企業にとって長期の教育訓練休暇制度は、「制度は良いけれど、現実には業務が回らず使えない」という状況が続いていました。
今回新設された新規採用助成と職務代行助成は、まさにこの課題に対応しています。
- 新規採用助成: 休暇中の代替人員を新たに雇い入れる場合の助成
- 職務代行助成: 既存社員が休暇中の同僚の業務を代替する場合、業務代替者に支払う手当の75%(月上限16万円)を助成。代替業務に対応した賃金制度を業務代替期間の開始日までに就業規則等に定め、業務代替者全員の賃金が総額で1万円以上増額されていることなどが要件
AI・DX人材育成での活用例
- 社員を大学院のAI・データサイエンス課程に送り出す
- 専門的なeラーニング・ブートキャンプに長期間参加させる
- 外部の研究機関・企業との共同研修プログラムに参画させる
これらの長期リスキリングは、これまで「時間とお金の余裕がある大企業しか実施できない」というイメージがありましたが、新設された助成により、中小企業事業主に該当する会社でも取り組みやすくなりました。
ポイント4:eラーニング・通信制による訓練の経費助成上限見直し
重要な注意点:上限の引き下げ
令和8年4月8日改正では、事業展開等リスキリング支援コースでeラーニング・通信制による訓練の経費助成上限(1人1訓練あたり)が見直されました。見直し前は中小企業事業主30万円・大企業20万円でしたが、見直し後は訓練時間数にかかわらず中小企業事業主15万円・大企業10万円です。通学制・同時双方向型の通信訓練とeラーニング・通信制を組み合わせた場合も、見直し後の上限が適用されます。
| 研修形式 | 見直し前 | 見直し後 |
|---|---|---|
| eラーニング・通信制 | 中小企業事業主30万円・大企業20万円 | 中小企業事業主15万円・大企業10万円(時間数にかかわらず。通学制などとの組み合わせを含む) |
| 通学制・同時双方向型の通信訓練のみ | 時間数に応じた限度額(10時間以上100時間未満で30万円等) | 変更なし(時間数に応じた限度額) |
出典:厚生労働省 リーフレット「令和8年4月8日からの変更点について」
eラーニング主体で研修を設計している企業にとっては上限の引き下げとなるため、注意が必要です。さらに令和8年8月3日以降に提出する計画届では、同コースのeラーニングによる訓練は同一の労働者につき1年度1回までになりました。一方で、通学制・同時双方向型の通信訓練の経費助成限度額は従来どおりのため、研修形式の選択が助成額に影響する改正となっています。
そのほかの改正(令和8年4月8日)
令和8年4月8日には、ほかにも次の改正が行われています。
- 人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コース: 定額制サービス(サブスク型研修)による訓練の要件変更(支給対象労働者は、修了した訓練の標準学習時間が支給申請時に10時間以上である者に限定)
- 全コース: 申請事業主と密接な関係にある者(代表者等の配偶者・3親等以内の親族、親会社・子会社など)との間の訓練実施に係る経費(講師謝金・施設借上費・受講料など)は経費助成の対象外
- 教育訓練休暇等付与コース: 支給申請タイミングの見直し(制度導入・適用計画期間中に支給要件を満たせば、制度導入日から3年を経る前でも申請可能に。ただし制度導入日から6か月を経過した日の翌日以降)
出典:厚生労働省 リーフレット「令和8年4月8日からの変更点について」
改正後の全コース助成額早見表
令和8年8月3日時点の主要な助成内容をコース別にまとめます。
事業展開等リスキリング支援コース(中小企業事業主・OFF-JT)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 経費助成率 | 75%(大企業は60%) |
| 賃金助成 | 1,000円/時間(大企業は500円。eラーニング・通信制は対象外) |
| 経費助成限度額 | 10-100時間:30万円 / 100-200時間:40万円 / 200時間以上:50万円(改正前と同じ) |
| 設備投資加算(NEW) | 導入費用の50%(1人15万円/10人以上150万円) |
| eラーニング・通信制の経費助成上限 | 15万円(令和8年4月8日に見直し) |
| eラーニングの受講回数 | 同一の労働者につき1年度1回まで(令和8年8月3日以降の計画届。受講回数全体は1年度3回まで) |
| 期限 | 令和8年度末までの時限措置 |
人材育成支援コース(中小企業事業主・中高年齢者実習型訓練)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OFF-JT経費助成率 | 60%(賃金要件等で75%) |
| OFF-JT賃金助成 | 800円/時間(賃金要件等で1,000円/時間) |
| OJT実施助成額 | 10万円/人(賃金要件等で13万円/人) |
| 対象 | 45歳以上の労働者 |
| 期限 | パンフレットに時限措置の記載なし |
人への投資促進コース(中小企業事業主・長期教育訓練休暇制度)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 新規採用助成(NEW) | 27万円(30-90日未満)/ 45万円(90-180日未満)/ 67.5万円(180日以上) |
| 職務代行助成(NEW) | 業務代替者に支払った手当の75%・月上限16万円 |
| 期限 | 令和8年度末までの時限措置 |
出典:厚生労働省 人材開発支援助成金(各コースのパンフレット・リーフレット)
ROI試算例:設備投資加算を活用した生成AI研修
ケース:中小企業事業主に該当する従業員10名の会社が150時間のAI研修+訓練の実技で使う機器を導入
厚生労働省のパンフレット(令和8年8月3日版)の助成率・限度額で計算した例です。研修経費と導入費は仮定の金額で、実際の支給額は労働局の審査を経て決まります。
試算の前提
- 事業展開等リスキリング支援コースのDX化に関する訓練として、受講者10名の職務に直結する内容で計画届を提出し、対象外の内容には当たらないものとする
- 訓練は事業外の教育訓練機関が通学制または同時双方向型の通信訓練で行い、実訓練時間数は150時間。全員が全時間を所定労働時間内に受講する
- 研修経費は1人20万円、訓練の実技で使うものと同種の機器・設備等の導入費は100万円(パソコン類など対象外のものは含めない)
- 訓練終了後に賃金要件(全ての対象労働者の賃金を5%以上増額)を満たし、設備投資加算を別途申請する
投資額と、それに対応する助成(経費助成+設備投資加算)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 研修経費(10名×20万円) | 200万円 |
| 機器・設備等の導入費 | 100万円 |
| 合計投資額 | 300万円 |
| 経費助成(20万円×75%=1人15万円。限度額40万円の範囲内。×10名) | ▲150万円 |
| 設備投資加算(100万円×50%。上限150万円の範囲内) | ▲50万円 |
| 経費助成+設備投資加算 | ▲200万円 |
投資額とは別枠の助成(賃金助成)
| 項目 | 金額 | 性質 |
|---|---|---|
| 賃金助成(1,000円×150時間×10名) | ▲150万円 | 訓練期間中に支払う賃金の一部に対する助成で、上の投資額300万円には含まない |
※設備投資加算は、訓練終了日の翌日から1年以内に全ての対象労働者の賃金を5%以上増額(または資格等手当で3%以上増額)することが要件です。賃金引上げに伴う費用はこの試算に含めていません。
※通常分(経費助成・賃金助成)は訓練終了後の支給申請と審査、設備投資加算は賃金要件を満たした後の別途の支給申請と審査を経て支給されます。それまでは研修経費・導入費を自社で立て替えることになります。
この試算では、投資額300万円のうち200万円分を経費助成と設備投資加算で賄う計算です。これとは別に、要件を満たせば訓練期間中の賃金に対して賃金助成の対象になり得ます(実際の支給額は審査結果により変動します)。
ROI計算
仮に研修後、10名体制で月100時間の業務削減ができた場合、時給換算3,000円で月30万円、年間360万円の人件費に相当します(あくまで試算であり、削減時間は対象業務や定着度によって変わります)。
仮定どおりに削減できれば、設備投資を行わない場合でも研修費用の回収を見込める試算です。設備投資加算を活用する場合は、AI関連機器の導入負担を軽減しながら学習環境を整備できる一方、訓練後の賃金引上げ要件も満たす必要があるため、賃金改定の費用も含めて収支を見積もることが判断の目安になります。
注意点と申請時のポイント
令和8年度が最終年度——時限措置に注意
今回の改正で新設・拡充された制度のうち、以下は令和8年度までの期間限定の助成です。
- 事業展開等リスキリング支援コース(設備投資加算を含む)
- 人への投資促進コース(新規採用助成・職務代行助成を含む)
令和9年度以降の取扱いは、令和8年8月3日時点のパンフレットでは示されていません。また、時限措置の終わりに、計画届の提出日・訓練の実施期間・支給申請日のどれを基準に対象となるかも、パンフレットでは確認できません。令和8年度中の活用を考えている場合は、計画届を訓練開始日の1か月前までに提出する必要があることも踏まえ、早めに労働局へ確認してください。
分割支給申請(訓練期間が6か月を超える場合)
事業展開等リスキリング支援コースでは、通学制または同時双方向型の通信訓練で訓練期間が6か月を超える場合、訓練開始日から6か月ごとに区切った期間(分割訓練期間)の受講時間数が実訓練時間数の8割以上であれば、その期間に支払った訓練経費に係る経費助成と賃金助成を、訓練終了前でも分割して支給申請できます。申請期間は各分割訓練期間の最終日の翌日から2か月以内です。ただし、訓練終了後に訓練全体で支給要件を満たさず不支給となった場合は、それ以前の同じ訓練の支給決定も取り消されます。
長期のAI研修・リスキリング訓練を計画している場合は、資金繰りの面で分割支給申請も検討できます。詳細は管轄の労働局にご相談ください。
賃金要件等の注意
中高年齢者実習型訓練・設備投資加算・その他多くの制度で、上位の助成率・助成額を得るには「賃金要件等を満たす」必要があります。具体的には、訓練終了日の翌日から1年以内に全ての対象労働者の賃金を5%以上増額、または資格等手当を支給して賃金を3%以上増額することが求められます。単なる研修実施ではなく、研修後の賃金改定・処遇改善まで含めた中長期的な人材育成戦略が必要です。
eラーニング中心の研修を検討中の企業は要注意
今回の改正で、事業展開等リスキリング支援コースのeラーニング・通信制による訓練の経費助成上限が中小企業事業主15万円・大企業10万円に見直され、令和8年8月3日以降の計画届では同コースのeラーニングの受講回数も1年度1回までになりました。eラーニングは賃金助成の対象外でもあります。通学制・同時双方向型の通信訓練を中心にする、または訓練の実施方法そのものを再検討することで、要件と助成額の両面から自社に合った形を選べます。
計画届提出期限
訓練を対象とするコースでは、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に職業訓練実施計画届を提出する必要があります。例えば訓練開始日が7月1日なら、提出期間は1月1日から6月1日までです。郵送の場合は労働局に到達した日が提出日となり、消印有効ではありません。長期教育訓練休暇制度などは、制度導入・適用計画届を、制度導入・適用計画期間の初日の6か月前から1か月前までの間に提出します。スケジュール管理に注意してください。
当社のAI研修と助成金の対象可否
株式会社課題解決プラットフォームのAI研修は、令和8年8月3日以降の人材開発支援助成金の要件(実訓練時間数10時間以上、受講者の職務に直結する内容など)を踏まえたカリキュラム設計に対応しています。ライト(半日)・スタンダード(1日)は単体では10時間に満たないため対象外です。
対応プランと助成金の対象可否
| 当社プラン | 価格(税抜) | 助成金の対象可否 |
|---|---|---|
| ライト(半日)・スタンダード(1日) | ¥150,000/人・¥300,000/人 | 対象外(単体では10時間に満たないため) |
| 合計10時間以上になるよう組むカスタム研修 | 個別見積り | 受講者の職務に直結する内容で要件を満たす場合に、事業展開等リスキリング支援コースなどの対象になり得る |
| Claude Code業務導入研修(合計10〜20時間) | ¥330,000〜/プログラム | 要件を満たす場合に、事業展開等リスキリング支援コースなどの対象になり得る(設定代行など訓練以外の費用は対象外になり得る) |
| 伴走定着(組織) | ¥500,000/月 | 対象になり得るのは研修(OFF-JT)部分で、運用ルールの設計などの支援は対象外になり得る |
※価格はすべて税抜。事業展開等リスキリング支援コースの経費助成率75%は、要件を満たす場合の中小企業事業主の区分の率です(大企業は60%)。実際の助成金の適用可否・支給額は労働局の審査で決まるため、最終判断は労働局への事前相談をおすすめします。
計画届に記載する訓練内容・カリキュラム情報のご提供と、研修側で発行する書類のご用意に対応します(申請書類の作成・提出代行は社会保険労務士にご依頼ください)。
まとめ:今すぐ動くべき3つのアクション
- 自社の状況を棚卸しする — 対象となる労働者数・希望する研修内容・導入したい機器をリストアップ
- 管轄の労働局に事前相談する — 令和8年8月3日以降の要件で、自社の訓練が対象になるか確認
- 計画届の準備を開始する — 研修開始日を仮決定し、1か月前の提出期限から逆算してスケジューリング
令和8年度は、事業展開等リスキリング支援コースと人への投資促進コースの最終年度です。設備投資加算・中高年齢者実習型訓練・新規採用助成・職務代行助成という新設の仕組み(設備投資加算・新規採用助成・職務代行助成は中小企業事業主のみ)を検討する一方、事業展開等リスキリング支援コースでは令和8年8月3日以降は汎用的な内容の訓練が対象外となり、eラーニングの受講回数と上限額にも制限がある点に留意して、受講者の職務に直結する訓練を計画してください。
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