構造化データ(JSON-LD)は、ページの内容を機械が読める形で示すための書き方で、AIに引用されることを約束するものではありません。Googleは生成AI検索のために構造化データは必要ないとしており、FAQのリッチリザルトも2026年5月7日以降Google検索に表示されていません。
それでも構造化データには、記事・パンくずリスト・ローカルビジネス・商品など、今もGoogle検索のリッチリザルトの対象になる種類があり、SEOの一部として使う価値があります。本記事では、AI検索との関係でいまわかっていることと、主なスキーマの書き方を、小規模な事業者でも実装できる形で解説します。
構造化データとAI引用の関係(いまわかっていること)
構造化データが伝えるのは「ページの中身の要約」
Google AI OverviewやPerplexityなどのAI検索は、ウェブページの内容を解釈して回答を生成します。構造化データ(JSON-LD)は、そのページが「何についてのコンテンツか」「著者は誰か」「どのようなFAQがあるか」を機械が読める形で示すものです。ただし、AIがページを理解する主な材料は本文です。構造化データは、ページに表示している内容と食い違わないように書きます。
公式の説明で確かめられること
構造化データとAI検索・リッチリザルトの関係について、Googleが公開している説明は次のとおりです(確認日:2026-10-20)。
| 項目 | Googleの説明 |
|---|---|
| 生成AI検索(AIによる概要・AIモード) | 構造化データは必要ない。追加すべき特別なschema.orgマークアップもない。リッチリザルトのため、SEOの一部として使い続けることは勧める |
| FAQ(よくある質問)のリッチリザルト | 2026年5月7日以降、Google検索に表示されない。2026年6月15日に説明のページを削除 |
| HowTo(手順)のリッチリザルト | 2023年9月13日にパソコンでも表示を終了(モバイルはそれ以前に終了) |
| 今もリッチリザルトの対象になる種類の例 | 記事・パンくずリスト・ローカルビジネス・商品・組織など |
出典:Google 検索セントラル「生成AI機能向けのガイド」(日本語版の最終更新 2026-10-09)、「ドキュメントの最新の更新内容」(2026年5月8日・6月15日の項)、「HowTo とよくある質問のリッチリザルトにおける変更」(2023年8月8日公開・9月14日更新)、「Google 検索でサポートされている構造化データ マークアップ」(最終更新 2026-10-19)。ChatGPTやPerplexityについては、構造化データで引用が増えると各社が説明している資料は、当社の確認範囲では見当たりません。
主なスキーマ5つと、いまの扱い
1. FAQPage — 質問と答えを示す(見た目の効果は終了)
FAQPageスキーマは、ページ内の質問と答えを機械が読める形で示します。FAQのリッチリザルトは2026年5月7日以降Google検索に表示されないため、入れても検索結果の見た目は変わりません。AIによる概要に載るための条件でもありません。本文に質問と答えを書くこと自体は読み手に役立つので、FAQを書いたページに付ける場合は、本文と同じ内容にしてください。すでに入れているものを外す必要はありません。
JSON-LDの記述例:
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "AIO対策とは何ですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "AIO対策とは、Google AI OverviewやPerplexityなどのAI検索で、自社の情報が正しく扱われ、情報源として参照されやすい状態を整える取り組みです。サイトの技術面の確認、質問に答える本文、E-E-A-Tの強化が主な手法です。"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "AIO対策の費用はいくらですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "当社は月額プランが300,000円/月〜(税抜・初期費用150,000円〜・最低6ヶ月、以降1ヶ月単位で自動更新)で、AIO診断は初月に行い、月額に含みます。"
}
}
]
}
実装のポイント:
- 1ページに3〜5問のFAQを設置
- 質問文はユーザーが実際に検索するフレーズに合わせる
- 回答文は50〜150語で簡潔に記述する
- ページに表示している質問と答えと、同じ内容にする
2. Article — ブログ記事の基本スキーマ
すべてのブログ記事にArticleスキーマを実装し、「著者」「公開日」「更新日」を機械が読める形で示します。記事(Article)は、今もGoogle検索のリッチリザルトの対象です。
JSON-LDの記述例:
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Article",
"headline": "構造化データとAI引用の関係",
"author": {
"@type": "Organization",
"name": "株式会社課題解決プラットフォーム"
},
"datePublished": "2026-03-16",
"dateModified": "2026-03-16",
"publisher": {
"@type": "Organization",
"name": "株式会社課題解決プラットフォーム"
}
}
3. HowTo — 手順を示す(リッチリザルトは2023年に終了)
手順を伴うコンテンツにHowToスキーマを付けると、手順の構造を機械が読める形で示せます。ただし、HowToのリッチリザルトは2023年9月13日にパソコンでも表示を終えており、Google検索の見た目は変わりません。AIに引用されやすくなると確かめられた施策でもないため、手順は本文に番号付きで書くことを優先してください。
JSON-LDの記述例:
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "HowTo",
"name": "FAQPage構造化データの実装手順",
"step": [
{
"@type": "HowToStep",
"name": "FAQコンテンツの作成",
"text": "ページに掲載するFAQ(質問と回答)を3〜5問作成します。"
},
{
"@type": "HowToStep",
"name": "JSON-LDコードの記述",
"text": "Schema.orgのFAQPage形式でJSON-LDコードを記述します。"
},
{
"@type": "HowToStep",
"name": "HTMLへの埋め込み",
"text": "作成したJSON-LDコードをページのhead要素内にscriptタグで埋め込みます。"
}
]
}
4. LocalBusiness — 店舗・事業所向け
地域ビジネスでは、LocalBusinessスキーマで所在地・営業時間・連絡先などを機械が読める形で示します。ローカルビジネスは、今もGoogle検索のリッチリザルトの対象です。なお、Googleの生成AI機能向けのガイドは、ローカルビジネスにはGoogleビジネスプロフィールの整備を勧めています。
5. Organization — 企業の情報を示す
Organizationスキーマは、企業名・所在地・設立年・連絡先などを機械が読める形で示します。運営者の情報をはっきりさせることは信頼性(E-E-A-T)の土台ですが、スキーマを付けるだけで引用元としての評価が上がると確かめられたものではありません。
ページの種類ごとの組み合わせ例
1つのページに複数のスキーマを組み合わせて実装できます。組み合わせでAIの引用が増えると確かめられたわけではないため、ページに表示している内容に合うものを選びます。
| ページの種類 | 組み合わせの例 | Google検索での扱い(2026年10月時点) |
|---|---|---|
| ブログ記事 | Article(+FAQPage) | 記事はリッチリザルトの対象。FAQPageで見た目は変わらない |
| 手順解説記事 | Article(+HowTo・FAQPage) | HowTo・FAQのリッチリザルトは終了 |
| サービスページ | Service(+FAQPage) | Serviceはリッチリザルトの種類の一覧にない |
| 店舗情報 | LocalBusiness(+FAQPage) | ローカルビジネスはリッチリザルトの対象 |
| 会社概要 | Organization + LocalBusiness | 組織・ローカルビジネスとも一覧に載っている |
事業者向け:実装の3ステップ
ステップ1:基本の種類から始める
Google検索で今もリッチリザルトの対象になる種類(記事のArticle、会社のOrganization、店舗のLocalBusinessなど)から、主要なページに実装してください。FAQPageは、質問と答えを本文に書いたページに、本文と同じ内容で付ける程度で十分です。
ステップ2:実装を検証する
Googleのリッチリザルトテスト(search.google.com/test/rich-results)で、記事・ローカルビジネスなどリッチリザルトの対象の種類が正しく読み取られているか確認します。エラーがあれば修正してください。
ステップ3:段階的にスキーマを追加する
基本の種類が整ったら、FAQPage・HowToを必要に応じて追加します。どちらもGoogle検索の見た目は変わらないため、急ぐ必要はありません。
| 実装順 | スキーマ | 対象ページ | 目安工数 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | Article・Organization | 全ブログ記事・会社概要 | 2〜3日 |
| 第2段階 | LocalBusiness | 店舗・事業所ページ | 1日 |
| 第3段階 | FAQPage(任意) | 質問と答えを本文に書いたページ | 1〜2日 |
| 第4段階 | HowTo(任意) | 手順解説ページ | 1〜2日 |
WordPressでの実装方法
WordPressを利用している企業は、プラグインで構造化データを自動生成できます。
| プラグイン | 対応スキーマ | 特徴 |
|---|---|---|
| Rank Math | Article・FAQ・HowTo・LocalBusiness他 | 無料版でも主要スキーマに対応 |
| Yoast SEO | Article・FAQ・HowTo他 | Schema設定画面が使いやすい |
プラグインを使う場合でも、リッチリザルトテストで出力を確認する習慣をつけてください。
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まとめ
構造化データ(JSON-LD)は、ページの内容を機械が読める形で示す技術的な土台です。ただし、Googleは生成AI検索に構造化データは必要ないとしており、FAQのリッチリザルトも2026年5月7日以降表示されていません。AIの引用を増やす近道として期待するより、記事・ローカルビジネスなど今もリッチリザルトの対象になる種類を正しく実装し、質問に答える本文を整えることを優先してください。
小規模な事業者でも1〜2日あれば主要ページへの実装が可能です。まずは記事(Article)と会社・店舗の情報(Organization・LocalBusiness)から始め、ページの本文と食い違わない状態を保ちましょう。
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