ショート動画の制作費は、制度や年度の公募要領によっては補助金の対象になり得ます。関連しやすいのは小規模事業者持続化補助金(販路開拓の広報費・ウェブサイト関連費)やIT導入補助金などです。ただし対象範囲は公募回・類型ごとに異なるため、必ず最新の公募要領で確認することが前提です。本記事では、対象になりやすい制度の考え方、申請の流れ、採択されやすい申請書の書き方を、誇張なく整理します。
前提:補助金情報は「最新の公募要領」が唯一の正解
最初に重要な前提を共有します。補助金・助成金の制度は、名称・対象経費・補助率・補助上限・公募スケジュールが年度ごと、公募回ごとに見直されます。本記事は2026年時点の一般的な制度設計をもとに「考え方」を整理するものであり、個別の金額や要件を断定するものではありません。
したがって、実際に申請する際は、必ず申請しようとする制度の「その回の公募要領」を一次情報として確認してください。判断に迷う点は、各制度の事務局、または認定経営革新等支援機関(商工会・商工会議所・金融機関・士業など)に直接照会するのが確実です。以下では、この前提のうえで「どの制度が動画制作に関連しやすいか」「どう申請を進めるか」を解説します。
動画制作に関連しやすい主な制度
ショート動画の制作費に関連しやすいのは、経済産業省・中小企業庁が所管する補助金です。代表的な制度の概要は次のとおりです(対象可否は公募回により異なります)。
| 制度名 | 所管 | 動画制作との関連 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 中小企業庁 | 販路開拓の広報費・ウェブサイト関連費として動画が認められる場合がある | その回の対象経費に動画・広報費が含まれるか |
| IT導入補助金 | 経済産業省 | 登録ITツールの導入が中心。動画関連ツールが対象になる場合がある | 動画制作そのものが対象か、対象は登録ツールに限るか |
| 各自治体の独自補助金 | 都道府県・市区町村 | 地域のPR・販促支援として動画が対象になる場合がある | 自治体ごとに要件・公募時期が異なる |
このうち、ショート動画の制作費が「広報のための外注費」として認められる可能性が比較的あるのは、小規模事業者持続化補助金の販路開拓枠です。ただし、動画が対象経費に含まれるか、ウェブ関連費に補助上限のキャップがあるか、などは公募回ごとに変わります。
IT導入補助金は、原則として「登録されたITツールの導入」を支援する制度です。動画制作の外注費そのものが対象になるかは類型・公募回によって異なるため、対象ツールの登録状況を含めて事前確認が必要です。
加えて、都道府県や市区町村が独自に設ける販促・PR支援の補助金も見逃せません。地域の事業者向けに動画やSNS活用を支援する制度が用意されている場合があります。お住まいの自治体や所管の商工会議所の最新情報を確認してください。
申請の基本的な流れ
補助金の申請は、制度ごとに細部は異なりますが、おおむね次の流れで進みます。
- 公募要領の確認 ― 申請する回の公募要領で、対象者・対象経費・補助率・補助上限・締切を確認する。
- 事業計画の作成 ― 経営課題と、その解決手段としての動画施策、期待する成果を計画書にまとめる。
- 必要書類の準備 ― 見積書・決算書・本人確認書類など、制度が求める添付書類を揃える。
- 申請手続き ― 多くの制度は電子申請(jGrantsなど)です。GビズIDの取得が事前に必要な場合があります。
- 審査・採択発表 ― 審査を経て採択が決定。採択後に交付申請・交付決定の手続きがある制度もあります。
- 事業の実施 ― 交付決定後に動画制作を発注・実施する(決定前の発注は対象外になることが多い)。
- 実績報告・補助金の請求 ― 実施後に実績報告書と証憑(請求書・支払記録など)を提出し、補助金を受領する。
特に注意すべきは6番です。多くの補助金は「交付決定後に発生した経費」が対象で、決定前に発注・支払した費用は対象外になります。発注のタイミングを誤ると補助を受けられないため、必ず交付決定を待ってから契約・発注してください。
採択されやすい申請書の3つの書き方
審査に通る申請書には共通点があります。「動画を作りたい」という供給目線ではなく、「経営課題をどう解決するか」という需要目線で書かれている点です。具体的には次の3点を押さえます。
1. 現状の課題を数値で示す
「集客が弱い」ではなく、「新規来店が月◯件で前年比◯%減」「ウェブ経由の問い合わせが月◯件にとどまる」など、課題を数値で具体化します。審査側は、補助事業が実際の課題に対応しているかを見るため、出発点となる現状の数値が明確なほど説得力が増します。
2. 動画施策と課題解決の因果をつなぐ
動画を「手段」として位置づけ、それが課題の解決にどう効くかを論理でつなぎます。たとえば「来店前に商品の使い方を動画で伝えることで、購入のハードルを下げ、来店後の成約率を高める」のように、動画→行動→成果の流れを言語化します。
3. 成果指標と測定方法を明記する
補助事業後に「何をもって成功と判断するか」を指標で示します。「動画経由の問い合わせ件数」「指名検索数」「来店時のアンケートで動画を見たと答えた割合」など、測定可能な指標を挙げると、計画の実行性が評価されます。動画運用の成果指標の設計は、関連記事「ショート動画運用代行の料金比較2026」でも触れています。
申請書の作成は、認定経営革新等支援機関のサポートを受けられる制度が多くあります。商工会議所や金融機関などに相談すると、採択実績に基づいた助言が得られます。
補助金活用時の注意点
補助金を前提に動画制作を計画する際は、次の点に注意してください。
- 採択は確約されない ― 補助金は予算枠と審査があり、申請しても採択されないことがあります。補助金が下りない場合の資金計画も併せて準備しておきます。
- 後払いが原則 ― 多くの制度は、事業者が一度全額を立て替え、実績報告後に補助金が支払われる「精算払い(後払い)」です。一時的な資金繰りを見込んでおく必要があります。
- 実績報告の証憑管理 ― 請求書・契約書・支払記録などの証憑を厳密に保管します。書類不備は補助金減額の原因になります。
- 補助対象外経費の切り分け ― 動画制作費のうち、対象になる経費とならない経費が混在することがあります。見積もりの段階で内訳を分けておくと実績報告がスムーズです。
まとめ:制度ありきではなく「課題ありき」で
ショート動画の制作費は、小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金、自治体の独自補助金などで対象になり得ますが、対象範囲は公募回ごとに異なります。唯一の正解は「申請する回の最新公募要領」であり、不明点は事務局や認定支援機関に照会するのが確実です。
採択率を高める鍵は、「動画を作りたい」ではなく「経営課題をどう解決するか」を軸に申請書を書くこと。現状の課題を数値で示し、動画施策と成果の因果をつなぎ、測定可能な成果指標を明記する。この3点が審査を通る申請書の骨格です。
「補助金の活用も視野に、動画施策の計画から作りたい」という場合は、当社が企画・撮影・編集・効果分析まで伴走します。ショート動画は単発1本150,000円〜、月額ライト(月4本)450,000円、月額プレミアム(月8本)900,000円(いずれも税抜)です。見積書の内訳は補助金の実績報告に合わせて整理できます。詳細は動画制作・運用支援のサービスページをご覧ください。なお、AI研修については助成金で最大75%の補助を受けられる場合があり、AI研修のサービスページで別途解説しています。
