ショート動画のサイズは、主要な媒体に共通で「アスペクト比9:16・解像度1080×1920ピクセル」が基本です。一方、時間の上限はYouTube Shortsが最大3分(YouTube公式ヘルプ・2024年10月発表)、Instagramリールが最大20分(3分を超えると新しいオーディエンスへのおすすめに出ない。Instagram公式ヘルプ)と媒体ごとに異なり、TikTokは2026年10月時点の公式ヘルプに上限の分数が書かれていません。本記事は2026年10月に公式ヘルプで確かめた規格を1枚の早見表に整理し、1本のマスター動画を3つの媒体へ展開する手順まで落とし込んだ保存版ガイドです。
説明文の補足(2026年10月) — 説明文の「Instagramリール3分」「TikTok10分」「LINE VOOM60秒」「4媒体へ展開」は初版の記載です。いまは、リールは20分まで作れて3分を超えると新しいオーディエンスへのおすすめに出ません。TikTokは公式ヘルプに上限の分数がありません。LINE VOOMは2026年9月30日にサービスを終えたため、本文の展開先と試算は3媒体に直しています。
ショート動画のサイズ・時間とは|基本規格を90秒で理解する
ショート動画とは、スマートフォンの縦持ち・全画面視聴を前提に設計された、アスペクト比9:16・数十秒から3分程度の短尺動画のことです。YouTube Shorts、Instagramリール、TikTokが主要な3つの媒体で、いずれも縦型フルスクリーンのフィードを基本画面としています。
縦型9:16が標準になった理由は単純で、視聴デバイスがスマートフォンに集中しているからです。総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2026年6月公表)によれば、全年代のLINE利用率は92.9%、YouTube利用率は81.5%に達しており、これらのアプリはほぼスマートフォンの縦画面で開かれます。スマホを横に倒さずに画面全体を占有できる9:16は、視聴者の操作コストが最も低いフォーマットです。
押さえるべき規格は次の3点に集約されます。
- サイズ(アスペクト比): 9:16。ピクセル数では1080×1920が標準
- 時間(長さ): 媒体ごとに上限が異なる。YouTubeショートは3分まで。Instagramリールは20分まで作れるが、3分を超えると新しいオーディエンスへのおすすめに出ない。TikTokは公式ヘルプに上限の分数がない
- セーフゾーン: 各アプリのボタンや説明文が動画に重なるため、上下端には文字を置かない
この3点を最初に固めておくと、撮影・編集のやり直しを減らせます。逆にここを曖昧なまま制作を始めると、納品直前に「テロップがアイコンに隠れる」「縦にしたら黒帯だらけ」という手戻りが起きやすくなります。
【保存版】全プラットフォーム規格早見表(2026年10月確認)
まず結論の一覧表です。ブックマークしてチェックリスト代わりにお使いください。
| プラットフォーム | アスペクト比 | 推奨解像度 | 時間の上限 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| YouTube Shorts | 9:16(正方形1:1も判定対象) | 1080×1920 | 最大3分 | YouTube公式ヘルプ(2024年10月発表) |
| Instagramリール | 9:16 | 1080×1920 | 最大20分(3分超は新しいオーディエンスへのおすすめに出ない) | Instagram公式ヘルプ(2026年10月確認) |
| TikTok | 9:16 | 1080×1920 | 公式ヘルプに分数の記載なし(投稿画面で最大再生時間を選ぶ) | TikTokサポート(2026年10月確認) |
| Facebookリール | 9:16 | 1080×1920 | 長さの制限をなくすと発表(2025年6月・数か月かけて順次。以前は最大90秒) | Meta(2025年6月17日発表) |
| X(旧Twitter) | 16:9/1:1/縦型も投稿可 | 1080×1920(縦型時) | 通常アカウントは最大140秒 | X公式ヘルプ |
注意点が2つあります。第一に、主要3媒体の規格を1本で同時に満たす条件は「9:16・1080×1920・3分以内」です。3分はYouTubeショートの上限で、Instagramリールが新しいオーディエンスへのおすすめに出る長さの上限でもあります。TikTokは公式ヘルプに上限の分数がないため、投稿画面で確かめます。第二に、表の上限は「投稿できる長さ」であって「伸びやすい長さ」ではありません。この違いは後述します。
なお、LINE VOOMは2026年9月30日(11:00ごろ)にサービスを終え、投稿の作成や閲覧ができなくなりました(LINEヘルプセンター)。初版で展開先に入れていたLINE VOOMは、本記事の手順と試算から外しています。
書き出し(エンコード)の設定は、次を本記事の目安にしてください。各媒体の公式の推奨値ではないため、投稿前に各アプリで再生を確かめます。
| 項目 | 本記事の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| コンテナ/コーデック | MP4(H.264+AAC) | 全媒体で再生互換性が高い組み合わせ |
| 解像度 | 1080×1920 | 4K縦型は再圧縮で劣化しやすく費用対効果が低い |
| フレームレート | 30fps | ダンス・スポーツ等の動きが速い素材のみ60fps |
| 映像ビットレート | 8〜12Mbps | 60秒・12Mbpsでも約90MBに収まる計算 |
| 音声 | AAC・128kbps以上 | BGMかナレーションを入れる。音源は投稿先ごとに使える範囲を確かめる |
プラットフォーム別の詳細仕様と注意点
YouTube Shorts|最大3分・Shorts判定の基準が明文化
YouTube Shortsは2024年10月15日以降のアップロードから、最大時間が60秒から3分に拡大されました(YouTube公式ヘルプ・2024年)。さらに公式ヘルプでは、標準のYouTubeチャンネルについて、2024年10月15日以降にアップロードされ、アスペクト比が正方形または縦長で長さが3分以内の動画はShortsとして分類されると判定基準が明文化されています(公式アーティスト チャンネルは2025年12月8日以降のアップロードが対象)。つまり横型16:9の動画は何秒であってもShortsにはならず、逆に縦型で3分以内なら通常動画として投稿したつもりでもShortsに分類されます。「Shortsにしたくない縦型動画」がある場合は、3分超にするか、公式ヘルプの案内どおり16:9のような横長の比率で作る、という逆算が要る点に注意してください。Shorts面での評価ロジックはYouTube Shortsのアルゴリズム解説で詳しく扱っています。
Instagramリール|最大20分・新しいオーディエンスへのおすすめは3分まで
Instagramは2025年1月、リールの最大時間を従来の90秒から3分に拡大すると発表しました(Meta・2025年1月)。その後、2026年10月時点のInstagram公式ヘルプでは、リールは最大20分まで撮影・編集でき、3分を超えるリールは新しいオーディエンスにはおすすめされないと案内されています。「20分まで投稿できる」と「伸びる」は別の話です。本記事の目安では、新規リーチを狙う動画は90秒以内、深掘りコンテンツも3分以内に収め、3分を超える長尺は既存フォロワー向けと割り切ります。リール面での評価シグナルはInstagramリールのアルゴリズム解説を参照してください。
TikTok|公式ヘルプに上限の分数はない
2026年10月時点のTikTok公式ヘルプ(投稿を作成する)は「動画の最大再生時間を選択」と案内するだけで、上限の分数は書かれていません。いまの上限の数字は、TikTokの公式の発表でも確かめられませんでした。そのため本記事では、TikTokの上限を数字で示さず、投稿画面で選べる長さを確かめる前提にしています(初版の「2022年に10分へ拡大」の記載は、公式の発表で確かめられないため外しました。2026年10月)。とはいえフィードの主戦場は依然として短尺で、視聴者は数秒で次の動画へスワイプします。長い尺は連続ドラマ型・講座型のコンテンツを持つアカウント向けの選択肢と捉え、通常の集客用途では60秒以内に収めると作りやすくなります(本記事の目安)。
Facebookリール・X|サブ展開先としての規格
Facebookリールは2023年3月、Metaが最大時間を60秒から90秒へ拡大すると発表しました。その後、Metaは2025年6月17日に、Facebookの動画をすべてリールとして共有する形に変え、リールの長さと形式の制限をなくすと発表しています(数か月かけてプロフィールとページに順次展開)。画面によって切り替わりの時期が違うことがあるため、長い動画を投稿する前に投稿画面で確かめてください。アスペクト比は9:16・1080×1920で他媒体と共通です。X(旧Twitter)は通常アカウントで最大140秒(2分20秒)の動画を投稿でき(X公式ヘルプ)、横型・正方形・縦型のいずれも受け付けます。どちらも専用に作り込むというより、9:16のマスター動画をそのまま流用する「サブ展開先」と位置づけると運用が軽くなります。
ショート動画の「時間」の決め方|上限と推奨は別物
各媒体の上限を確認したところで、実際に何秒で作るべきかを整理します。以下は本記事の設計の目安です(業界統計や当社の実績の数値ではありません。完視聴率と保存数を見て調整してください)。
| 目的 | 推奨時間 | 設計のポイント |
|---|---|---|
| 認知拡大・新規リーチ | 15〜30秒 | 冒頭2秒でテーマ提示。完視聴率を最優先 |
| ノウハウ・ハウツー解説 | 45〜90秒 | 結論先出し+手順は3ステップまでに圧縮 |
| 商品・サービスのデモ | 30〜60秒 | ビフォーアフターを冒頭と末尾に配置 |
| 採用・会社紹介 | 60〜180秒 | 離脱しにくい指名視聴が前提。3分枠が活きる領域 |
| 3媒体同時展開のマスター | 3分以内 | YouTubeショートの上限と、リールが新しいオーディエンスへのおすすめに出る上限がどちらも3分 |
時間設計で外せない原則は「完視聴率は短いほど上がり、伝達量は長いほど増える」というトレードオフです。アルゴリズムは完視聴・再視聴を強いシグナルとして扱うため、迷ったら短い側に倒す、削れない情報量があるときだけ長くする、の順で判断します。具体的な台本の組み立てはショート動画の作り方ガイドで手順化しています。
サイズ通りでも「見切れる」セーフゾーン設計
1080×1920で書き出しても、各アプリの画面にはアイコン・キャプション・音源表記などのUIが動画の上に重なります。テロップがいいね欄に隠れる事故を防ぐため、本記事では次の目安でセーフゾーンを空けます(1080×1920換算。各媒体の公式の数値ではありません)。
- 上部 約10%(192px): 検索バー・タブ表示と重なるため、ロゴや見出しを置かない
- 下部 約20%(384px): キャプション・音源表記・プロフィール行と重なる。字幕は下端から400px以上空ける
- 右端 約15%(162px): いいね・コメント・シェアのアイコン列。図解の右側に余白を取る
主要な情報(顔・商品・キーテロップ)は中央60〜70%の領域に収めると、UIに隠れにくくなります。ただし媒体や端末によってUIの位置は違うため、投稿前に各アプリのプレビューで、文字や顔が隠れていないかを確かめてください。
横型動画の流用は画面の約68%を捨てる計算
「会社紹介の16:9動画があるから、それをそのままショート動画に上げたい」と考えることがありますが、数字で見ると損失が大きい選択です。
- 9:16のキャンバス: 1080×1920px=総面積207万px
- そこに16:9動画を幅1080pxで配置: 1080×608px=表示面積66万px
- 動画が占める面積は約32%。残り約68%は黒帯(余白)
つまり横型流用は、スマホ画面の3分の2を空白にして届ける選択です。完視聴率以前に、フィードでの視認性・没入感で縦型ネイティブの動画に劣後します。既存の横型素材を活かす場合でも、上下に補足テロップ帯を入れて9:16に再構成する、被写体を中央にリフレーミングして縦に切り出す、といった「縦型化」の編集工程を挟むことを推奨します。
1本のマスター動画を全媒体へ展開する手順チェックリスト
規格を踏まえ、1本の撮影素材を主要3媒体(YouTubeショート・Instagramリール・TikTok)へ展開する実務手順をチェックリスト化しました。上から順に潰せばそのまま運用フローになります。
- 企画段階で3分以内に収まる台本にする(YouTubeショートの上限。新しい人に届けたい動画は60秒以内を目安に短くする)
- 9:16・1080×1920のシーケンスで編集を開始する(横型で編集してから縦に直すのは二度手間)
- 冒頭2秒に結論・フックを置く
- テロップは中央60〜70%のセーフゾーン内に配置し、各アプリのプレビューで隠れていないか確かめる(上192px・下384px・右162pxを空ける)
- BGMまたはナレーションを入れ、音源を投稿先ごとに使えるか確かめる(たとえばCapCutの商用音源は、CapCut・TikTok・TikTok for Businessの中でだけ使え、ほかの媒体で使うには別に許諾が要る)
- MP4(H.264/AAC)・30fps・8〜12Mbpsで書き出す
- 媒体ごとにキャプション・ハッシュタグを差し替えて投稿する(動画本体は共通にできる。音源の許諾が投稿先で違うときは、音源を差し替えた版を作る)
- 他媒体のロゴ透かし入り動画を流用しない(転載判定による露出低下を避ける)
- カバー画像(サムネイル)を媒体ごとに設定する
- 投稿後7日間の完視聴率・保存数を媒体横断で記録する
展開コストの計算例
このフローの費用対効果を当社価格で試算します。当社のショート動画制作は1本150,000円〜(税抜)です。上記の通り1本のマスター動画を自社で3媒体に投稿した場合、下限価格150,000円を3で割ると1媒体あたり50,000円という試算になります。月額ライトプラン(月4本・450,000円/月・税抜)の動画をそれぞれ3媒体に投稿すれば延べ12投稿となり、450,000円を12で割ると1投稿あたり37,500円という計算です(いずれも割り算による試算値で、3媒体への投稿や媒体単位の料金はプランに含まれません)。媒体ごとに別々の動画を発注する前提で見積もると3倍の予算が必要になるため、「規格を揃えて1本を使い回す」設計は費用を抑える手段になります。制作費の相場観はショート動画制作の費用相場で詳しく比較しています。
まとめ|今日やる3つのアクション
規格は一度整えれば資産になります。今日はまず次の3つだけ実行してください。
- 直近に投稿した動画のサイズと秒数を本記事の早見表と突き合わせる。9:16・1080×1920になっていない動画があれば、次回から編集テンプレートを縦型に切り替える
- 編集ソフトに「1080×1920・30fps・MP4」の書き出しプリセットを保存する。毎回の設定ミスがなくなり、この記事に戻る必要もなくなります
- ショート動画チェックリスト(無料ツール)で、セーフゾーンと時間設計を含む公開前チェックを一巡する
「規格は分かったが、企画と編集まで内製する時間がない」という場合は、企画・撮影・編集を請け負う当社のショート動画制作サービスをご検討ください。1本単位の単発制作から月額プランまであり、月額プランでは Instagram・TikTok 向けの調整(尺・文字の位置)と投稿スケジュール管理も含みます。
出典
- YouTubeヘルプ「3 分間の YouTube ショートについて」(標準のチャンネルは2024年10月15日以降、公式アーティスト チャンネルは2025年12月8日以降のアップロードで、正方形または縦長・3分以内の動画がショートに分類される。2026-10-19確認)
- Instagramヘルプ「Instagramでリール動画を撮影する」(最大20分の動画を撮影・編集できる。3分を超えるリールは新しいオーディエンスにおすすめされない。2026-10-19確認)
- TikTokサポート「投稿を作成する」(「動画の最大再生時間を選択」とだけあり、上限の分数の記載はない。2026-10-19確認)
- LINEヘルプセンター「【終了】「LINE VOOM」サービス終了のお知らせ」(2026年9月30日(水)11:00ごろにサービス提供を終了。投稿の新規作成・閲覧ができなくなった。2026年10月2日更新・2026-10-19確認)
- Meta「Making it Easier to Create Videos on Facebook」(2025年6月17日。Facebookの動画をすべてリールとして共有し、リールの長さと形式の制限をなくす。数か月かけて順次展開。2026-10-19確認)
- CapCut「Materials License Agreement」(3. Music Materials:商用音源は CapCut・TikTok・TikTok for Business の中で使え、それ以外は別の許諾が要る。2026年1月22日更新・2026-10-19確認)
- 総務省情報通信政策研究所「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)」(全年代の利用率 LINE 92.9%・YouTube 81.5%。2026年6月公表・2026-10-19確認)