Google AI Mode は2025年3月に実験提供が発表され、同年5月に米国の全利用者へ提供が広がった対話型検索体験で、2026年5月19日(米国時間)の Google I/O 2026 で Gemini 3.5 Flash が AI Mode の既定モデルになりました。その後2026年7月21日には Gemini 3.6 Flash が発表されています。本記事では AI Mode と AI Overview の違い、検索体験の変化、法人サイトが取るべき対策を一次情報ベースで整理します。
2026年10月時点の注記:Gemini の最上位は Gemini 4 Argon(2026年10月13日に一般提供)、Flash 系の現行は Gemini 3.8 Flash(2026年9月2日に一般提供)です。Gemini 3.6 Flash は前の世代の Flash として、Gemini API で提供が続いています。Google 検索の AI モードでは、Gemini 4 Argon が Google AI Pro・Ultra の利用者に順次提供されています。
2026年5〜7月のアップデートのポイント
- 2026年7月21日に Gemini 3.6 Flash 発表(2026年10月時点の Flash 系の現行は Gemini 3.8 Flash)
- Gemini 3.6 Flash は100万トークンのコンテキストを維持しつつ出力トークンを約17%削減
- Google I/O 2026(2026年5月19日・米国時間)で AI Search の刷新が発表
- AI Mode の既定モデルが Gemini 3.5 Flash に(2026年5月19日から)
- 検索ボックスが動的拡大、多モーダル入力(テキスト/画像/ファイル/動画/Chrome タブ)対応
- 検索担当 VP の Elizabeth Reid 氏が「検索ボックスの25年以上で最大のアップグレード」と表現
- Sundar Pichai 氏の基調講演では、Gemini アプリの月間アクティブユーザーが9億超(前年の I/O 時点は4億)
AI Mode の歴史と現状
Google は AI Mode を以下のスケジュールで展開しています(出典:Google The Keyword 公式ブログ)。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年5月 | AI Overview を Google I/O で発表 |
| 2025年3月 | AI Mode を Search Labs の実験として発表(米国の Google One AI Premium の契約者から) |
| 2025年5月 | Google I/O で米国の全利用者に提供(Labs の登録が不要に) |
| 2025年(年内) | AI Mode を段階拡張(日本語は2025年9月9日から) |
| 2025年11月 | Gemini 3 公開(11月18日) |
| 2026年5月19日 | Google I/O 2026 で AI Search 刷新、AI Mode の既定モデルに Gemini 3.5 Flash |
| 2026年7月21日 | Gemini 3.6 Flash 発表 |
| 2026年9月2日 | Gemini 3.8 Flash 一般提供 |
| 2026年10月13日 | Gemini 4 Argon 一般提供(9月30日発表) |
AI Mode は通常検索とは別タブの対話型UIで、複数ステップの質問を継続できる「会話型検索」です。
AI Overview と AI Mode の違い
| 項目 | AI Overview | AI Mode |
|---|---|---|
| UI | 通常検索結果上部のサマリー | 対話型UI(別タブ) |
| 質問の継続 | 単発の質問が中心 | 多段の質問が可能 |
| 引用ソース | 回答ごとに提示 | 多段の質問ごとに提示 |
| 回答の長さ | 短め | 長くなりやすい |
| 起動方法 | 通常検索で自動表示 | 専用タブ・URL から起動 |
| 使われるモデル | 2026年1月27日に Gemini 3 を既定モデルにすると発表(I/O 2026 の発表では明記なし) | Gemini 3.5 Flash が既定(2026年5月19日から)。2026年10月時点では Gemini 4 Argon も Google AI Pro・Ultra の利用者に順次提供 |
| Gemini API の現行(2026年10月時点) | 最上位 Gemini 4 Argon・Flash 系 Gemini 3.8 Flash | 同左 |
| 入力形式 | テキスト | テキスト/画像/ファイル/動画/Chrome タブ |
Google I/O 2026 で発表された AI Search 刷新
Google の検索担当 VP、Elizabeth Reid 氏が「検索ボックスの25年以上で最大のアップグレード」と表現した変更を含みます(出典:Google The Keyword「A new era for AI Search」2026年5月19日)。
1. 検索ボックスの動的拡大
長文質問(数十文字〜数百文字)にも対応する UI に変更。ユーザー入力の長文化が前提となりました。
2. 多モーダル入力
| 入力形式 | 想定ユースケース |
|---|---|
| テキスト | 従来通り |
| 画像 | 商品写真・スクリーンショットから検索 |
| ファイル | PDF・Word・Excel をドラッグ&ドロップ |
| 動画 | 動画ファイルを投入してシーン検索 |
| Chrome タブ | 開いているタブをドロップして「このページについて教えて」 |
3. Gemini 3.5 Flash の高速応答
基調講演では、Gemini 3.5 Flash は出力の速さ(1秒あたりのトークン数)がほかのフロンティアモデルの4倍とされています。AI Mode の対話の続けやすさや、利用者の行動にどう表れるかは、Google は数字で示していません。
なお2026年7月21日には Gemini 3.6 Flash が発表されました(2026年10月時点の Flash 系の現行は Gemini 3.8 Flash)。100万トークンのコンテキストを維持しながら出力トークンを 3.5 Flash 比で約17%削減し、生成速度は約280トークン/秒、ナレッジカットオフは2026年3月です(AI Studio / Gemini API / Gemini アプリ / Vertex AI で提供)。
4. Ask YouTube
YouTube 動画内の関連クリップを検索可能に(発表時点ではテスト中で、米国で順次提供の予定)。動画コンテンツの引用獲得がより重要に。
AI Mode で変わる検索体験
1. 一回の検索で複数の質問が連続する
利用者は「○○とは?」→「具体例は?」→「料金は?」→「競合との違いは?」と質問を続けて深掘りできます。続きの質問に答える情報を自社サイトのどこに置くかを決め、読み手がたどれるようにしておくと親切です。引用元の選ばれ方が通常の検索とどう違うかは、Google は公表していません。
2. 引用元が複数提示される
回答には参照元のリンクが示され、利用者はそこから元のページへ移れます。AI Mode からどれだけ流入があるかはサイトによって異なり、Google は全体の数字を示していません。
3. 根拠のある詳しい情報が求められる
短い箇条書きだけより、根拠・数値・出典が明示された情報の方が、引用元として使いやすくなります。ただし Google は、理想的なページの長さはないとしています。
4. マルチモーダル質問への対応
画像入力・PDF 入力・動画入力に対応しました。画像 alt 属性・動画 transcript・PDF の構造化 を整えておくと、内容が伝わりやすくなります(引用への効果は公表されていません)。
AI Mode で引用されるための対策
1. 独自の一次情報
読み手の質問に答える網羅的な一次情報ページを用意します。Google は生成AI機能向けのガイドで、理想的なページの長さはないとしているため、字数の目安より中身を優先します。
2. 比較表・FAQ・手順を本文で整理する
質問の続きに答えやすいよう、比較表・よくある質問・手順を本文で整理しておくと、読み手にも AI にも内容が伝わりやすくなります。なお Google は、生成AI検索のために構造化データ(FAQPage・HowTo など)は必要ないとしています。FAQ のリッチリザルトは2026年5月7日以降、HowTo は2023年9月に Google 検索での表示を終えています。
3. 根拠データの提示
「平均X%短縮」「n=Y のデータ」「出典:公式」など、根拠と出典を明示することで信頼度が上がります。
4. マルチモーダル素材の整備
Google I/O 2026 で画像・ファイル・動画を使った検索に対応したため、以下を整えておくと内容が伝わりやすくなります(引用を約束するものではありません):
- 画像の alt 属性:商品・サービス・図表に詳細な alt 設定
- 動画の transcript:動画コンテンツに字幕・transcript ファイルを公開
- PDF の構造化:見出し階層・目次・メタデータを整備
5. 関連トピックの内部リンク
関連ページへの内部リンクは、読み手とクローラーが関連する情報にたどり着く助けになります。
6. 著者・運営者情報の整備
誰が・どの立場で書いたか(E-E-A-T)を示しておくことは、情報の出どころを確かめる手がかりになります。著者プロフィールページの単独URL化・経歴の明示。
AI Mode 時代に強い記事構造(テンプレート)
# 記事タイトル(質問形式の方が望ましい)
**結論(太字・冒頭2段落以内)**
## 背景と前提
## 主要な論点(H2〜H3で展開)
## 比較表
| 項目 | A | B | C |
|---|---|---|---|
## FAQ(よくある質問を本文に書く)
### Q1
### Q2
### Q3
## まとめと次のアクション
法人サイトのチェックリスト(AI Mode 対応)
- ✅ 主要記事は、読み手の質問に答える網羅的な構成(字数の目安は決めない)
- ✅ 比較表・FAQ・手順を本文に組み込む
- ✅ 根拠データ・出典URLを明示
- ✅ 内部リンクで関連トピックへ接続
- ✅ 著者プロフィールページの単独URL化
- ✅ dateModified と公開日表示の同期
- ✅ robots.txt で Googlebot をブロックしていないか確認(Google-Extended は AI の学習などに使うかどうかの設定で、AI モードへの表示を決めるものではない)
- ✅ Search Console の[設定]>[検索の生成 AI]が「含める」になっているか確認(既定は「含める」)
- ✅ 画像 alt・動画 transcript・PDF 構造化を整備(I/O 2026 の多モーダル入力に合わせて)
AI Mode と AI Overview の並走
AI Mode が拡張されても AI Overview は引き続き提供されるため、法人サイト側の対策は両者で共通する部分が大きいです(検索に載るための技術的な土台・独自の内容・E-E-A-T)。AI Mode では利用者が質問を続けられるため、続きの質問に答える関連ページを用意しておくと読み手の助けになります。ただし、両者で評価の比重がどう違うかは、Google は公表していません(理想的なページの長さもないとしています)。
Gemini 3.5 Flash は AI Mode の既定モデルとして発表されました(AI による概要に使うモデルは、I/O 2026 の発表では明記されていません)。対話を続ける利用者のために、「次の質問」に答える関連ページへ内部リンクでたどれるようにしておくと、読み手の助けになります。2026年7月に発表された Gemini 3.6 Flash は、API のモデルとしては出力トークンが 3.5 Flash 比で約17%少なくなっていますが、検索の回答の長さや引用の選ばれ方にどう影響するかは公表されていません。
月次運用での実務フロー
- AI Mode で主要KW検索: 自社が引用されるか確認(検索結果の「AI モード」タブ)
- AI Overview で同じKW検索: 比較してギャップを把握
- 競合分析: 引用された競合記事の長さ・構造・出典の有無を確認
- 施策: 不足要素を補ったリライトを月次で実施
- モニタリング: Search Console の「生成AIパフォーマンス レポート」で、AI による概要・AI モードでサイトへのリンクが表示された回数を確認(クリック数は出ない)。ほかの AI は外部の計測ツールや手動の記録で補う
- マルチモーダル監査: 画像 alt・動画 transcript・PDF 構造化を四半期ごとに点検
当社の AIO 対策
上の手順は、AI Mode / AI Overview での見え方を自社で確かめるための一般的な進め方です。当社の月額プランでは、初月のAIO診断から、改善・月次の確認までをまとめて支援します。内容と料金はAI検索対策(LLMO・AIO)にまとめています。
- スタンダード: 月額300,000円(税抜・初期費用150,000円〜・最低6ヶ月、以降1ヶ月単位の自動更新)。初月のAIO診断(ChatGPT・Gemini・Perplexity の3つを対象にした言及状況の調査・競合比較・改善提案レポート)、構造化データの実装、FAQコンテンツの設計、月次モニタリングレポート
- プレミアム: 月額500,000円(税抜・初期費用150,000円〜・最低6ヶ月、以降1ヶ月単位の自動更新)。スタンダードの全内容に加え、記事制作(月4記事)、外部での言及づくり、AI検索での言及状況の毎月の計測、週次レポート
Google I/O 2026 で発表された AI Search 刷新については、Google I/O 2026 AI関連アップデート完全まとめもあわせてご参照ください。
参考文献
- Google I/O 2026: Sundar Pichai's opening keynote
- All the news from the Google I/O 2026 Developer keynote
- Google The Keyword: Expanding AI Overviews and introducing AI Mode(2025年3月5日。AI Mode を Labs の実験として発表)(2026-10-20 確認)
- Google The Keyword: AI in Search: Going beyond information to intelligence(2025年5月20日。米国で Labs の登録なしに提供)(2026-10-20 確認)
- Google Japan Blog: Google 検索における「AI モード」を日本語で提供開始(2025年9月9日)
- Google The Keyword: A new era for AI Search(2026年5月19日)
- Google The Keyword: A new era of intelligence with Gemini 3(2025年11月18日)
- Google The Keyword: Just ask anything: a seamless new Search experience(2026年1月27日。AI による概要の既定モデルを Gemini 3 に)(2026-10-20 確認)
- Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」
- Google Search Labs
- Google Search Central: helpful content
- Schema.org FAQPage / HowTo / Article