AI検索での見え方は、Google Search ConsoleとGA4だけでも測定できます。どちらも無料です。有料ツールが必要になるのは、競合の被引用状況まで追う場合や、手作業での確認が限界を超えてからです。 この記事では無料でできる範囲を具体的に示し、有料ツールを検討すべきタイミングを整理します。
結論:まず無料の2つで始める
| 測りたいこと | 使うもの | 費用 |
|---|---|---|
| AI検索経由の流入数 | GA4(参照元で絞り込み) | 無料 |
| AI生成の会話型クエリでの表示 | Search Console(クエリ絞り込み) | 無料 |
| 対策クエリでの実際の見え方 | 手動確認(ChatGPT等で検索) | 無料 |
| 競合の被引用状況の継続監視 | 有料ツール | 月数万円〜 |
| 多数クエリの自動監視 | 有料ツール | 月数万円〜 |
上3つで十分に始められます。 有料ツールは、手作業の確認が回らなくなってから検討してください。
無料でできること①:GA4でAI検索経由の流入を測る
標準の集客レポートでは、AI検索経由の訪問は「Organic Search」や「Referral」に混ざってしまいます。切り出すには探索レポートを自分で組む必要があります。
設定手順:
- GA4の「探索」で新しい空白のレポートを作成
- ディメンションに「セッションの参照元」、指標に「セッション」「エンゲージのあったセッション数」を追加
- フィルタで参照元に以下を含む条件を設定
| 参照元 | サービス |
|---|---|
| chatgpt.com | ChatGPT |
| perplexity.ai | Perplexity |
| gemini.google.com | Gemini |
| copilot.microsoft.com | Microsoft Copilot |
| claude.ai | Claude |
注意点として、AI検索からの流入がすべて参照元に残るわけではありません。 アプリ内ブラウザや一部の実装では参照元が失われるため、この数値は下限値として扱ってください。
無料でできること②:Search ConsoleでAI生成クエリを見る
これはあまり知られていない方法です。Search Consoleの検索クエリには、AIが生成した会話型のクエリが混ざっています。
次のような形式のクエリです。
context: location: japan (not for language). do not include location
references in your response. question: ◯◯対策を依頼できる会社は?
抽出方法: Search Consoleの「検索結果」レポートで、クエリのフィルタに question: を含む条件を設定します。これでAI経由のクエリだけが一覧化されます。
当社サイトでは、2026年6月25日〜7月24日の期間で46件・219表示・平均掲載順位3.5が記録されました。ただしクリックは0件です。
この0件は異常ではありません。 AIがページを読んで回答を生成し、利用者はAIの回答を読んで終わるため、クリックは発生しにくい挙動と整合します。
ただし重要な限界があります。「表示された」ことは分かっても、「AIの回答に実際に引用されたか」は判別できません。 候補として読まれただけの可能性も含みます。この点を理解せずに数値を扱うと、実態より良く見誤ります。
無料でできること③:手動確認
もっとも確実なのは、実際に自分で検索することです。
- 対策クエリを5〜10個用意する
- ChatGPT・Perplexity・Google(AI Overview)で質問する
- 回答に引用元リンクが付くかを見る
- 自社が引用されているか、競合が引用されているかを記録する
- スクリーンショットを保存する
5を必ずやってください。 AI検索の回答は同じ質問でも毎回変わるため、記録がないと後から比較できません。月1回、同じクエリで同じ手順を繰り返すのが基本です。
40項目の点検手順はAIO診断のやり方にまとめています。
有料ツールを検討すべきタイミング
無料の方法には、はっきりした限界があります。
| 限界 | 内容 |
|---|---|
| 手作業の量 | クエリが20個を超えると月次の確認が現実的でなくなる |
| 競合の把握 | 競合が「どのクエリで」引用されているかを網羅的に追えない |
| 変化の検知 | 毎日変わる回答を、月1回の確認では捉えきれない |
| 記録の蓄積 | スクリーンショットの管理が煩雑になる |
これらが実務の負担になってきたら、有料ツールの出番です。 逆に言えば、そうなる前に導入しても使いこなせません。
当社では Ahrefs の Brand Radar を使い、AI検索でのブランド言及を追跡しています。ただしツールが出す数値も各社の推定に基づくものであり、確定値ではありません。 傾向を見る目的で使い、絶対値を鵜呑みにしないことが前提です。
ツール選びで確認すべき3点
有料ツールを比較する際は、次を確認してください。
1. 日本語クエリに対応しているか
海外製ツールは英語圏のデータが中心で、日本語クエリのカバー率が低い場合があります。自社の対策クエリを実際に入力して、データが返るかを試用期間中に確認してください。
2. 数値の出どころが説明されているか
「引用率」「言及数」といった指標が、何をどう数えた値なのかを説明できるツールを選んでください。説明できないツールの数値は、社内報告にも使えません。
3. 手動確認の代わりになるか、補完なのか
多くのツールは手動確認を完全に置き換えるものではなく、監視対象を広げるためのものです。導入後も、主要クエリの手動確認は続ける前提で考えてください。
当社が使っている構成
参考までに、当社サイト(500ページ超)の計測構成を公開します。
| 用途 | 使っているもの |
|---|---|
| AI検索経由の流入 | GA4(参照元セグメント) |
| AI生成クエリでの表示 | Search Console(question: フィルタ) |
| 検索順位・クエリ全般 | Search Console / Ahrefs |
| ブランド言及の追跡 | Ahrefs Brand Radar |
| 主要クエリの実見え方 | 手動確認(月1回) |
特別なものは使っていません。 中心は無料の2つで、有料ツールは監視範囲を広げるために足しています。
この構成で測った結果は毎月公開しており、2026年7月時点でAI検索経由は**週58〜75ユーザー・検索流入全体の約3%**です(実測レポート)。
当社が合わないケース
「ツールを導入すれば数値が改善する」という期待には応えられません。 計測はあくまで現状を知るためのもので、改善するのはコンテンツと構造化データの実装です。
また、まだ何も計測していない段階でツール選定から入るのは順序が逆です。 まずGA4とSearch Consoleで現状を把握し、手作業が限界になってからツールを検討してください。当社への相談も、この順序でお話しします。
進め方
- GA4とSearch Consoleの設定を確認する(本記事の手順・所要30分)
- 対策クエリ5個で手動確認し、記録する(所要30分)
- 1ヶ月後に同じ手順を繰り返す
この3ステップで、自社の現在地が分かります。そのうえで判断がつかない場合は、初回30分の相談(無料・オンライン対応・秘密厳守)でご一緒に確認します。
まとめ
- 無料のGA4とSearch Consoleだけで、AI検索経由の流入とAI生成クエリの表示は測れる
- Search Consoleは
question:フィルタでAI経由のクエリを抽出できる - ただし「表示された」と「引用された」は区別できない。この限界を前提に扱う
- 有料ツールは、手作業が限界を超えてから。導入が先だと使いこなせない
- ツール選びでは「日本語対応」「数値の出どころの説明」「手動確認の代替か補完か」を確認
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