FAQページ作りの要点は、「実際に質問されている言葉で質問を作ること」と「その部分だけを読んでも伝わる回答を書くこと」の2つです。GoogleのFAQリッチリザルトは2026年5月7日から表示されなくなりましたが(出典1)、FAQは読み手の疑問に先回りして答える形式として、問い合わせの手間を減らす役に立ちます。
FAQページとは
FAQページとは、ユーザーから頻繁に寄せられる質問(Frequently Asked Questions)とその回答を、一問一答形式でまとめたページです。料金・導入手順・トラブル対応など、見込み客や既存顧客が抱く疑問に先回りして答えることで、問い合わせ対応の工数を減らし、読み手が自分で答えを見つけられるようにする役割を持ちます。
検索の言葉もAIへの質問も「疑問文」であることが多く、FAQは疑問文に対して結論を直接返す形式です。SEOとAIOの考え方の違いはSEOとAIOの違いで整理しています。ただし、Googleは生成AI検索向けの書き換えや、生成AI検索のための構造化データは要らないとしており(出典2)、FAQはAI向けの特別な形式ではなく、読み手のための形式と考えてください。
前提:FAQリッチリザルトは終了した
FAQページの作り方を解説する前に、2026年10月時点の状況を押さえておきます。「FAQPageスキーマを入れると検索結果にQ&Aが展開表示される」という説明は、すでに古くなっています。
FAQリッチリザルトの歴史
| 時期 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2019年5月 | FAQリッチリザルト導入。FAQPageスキーマで検索結果にQ&Aが展開表示されるように | Google(2019年) |
| 2023年8月 | 表示対象を「よく知られた信頼性の高い政府機関・医療系サイト」のみに制限 | Google検索セントラルブログ(2023年8月) |
| 2026年5月7日 | FAQリッチリザルトのGoogle検索への表示を終了 | Google検索セントラル 更新履歴(出典1) |
| 2026年6月 | FAQリッチリザルトのドキュメントを削除 | Google検索セントラル 更新履歴(出典1) |
つまり、2026年10月時点では、FAQPageスキーマを実装しても、Google検索の結果ページにQ&Aが展開表示されることはありません。
それでもFAQページを作る意味
リッチリザルトが終わった今、FAQページに意味はあるのか。FAQページそのものには、次の意味があります。
- 読み手の疑問に先回りして答えられる。 料金・期間・条件など、問い合わせで繰り返し聞かれる質問に答えておくと、読み手は自分で答えを見つけられ、対応の手間も減ります。
- 生成AI検索でも、特別な形式は要らない。 Googleは、生成AI機能はコアのランキングシステムで検索インデックスから関連ページを取得して答えを作るとし、生成AI検索向けの書き換えやコンテンツの細かい分割は要らないとしています(出典2)。FAQは、AI向けに作る形式ではなく、読み手に役立つ内容の1つです。
- 強調スニペットは構造化データで指定するものではない。 強調スニペットは、ページの内容がふさわしいとGoogleのシステムが判断した場合に表示されるもので、ページ側で指定することはできません(出典3)。
一方、FAQPageの構造化データは、Google検索での表示のためには役立たなくなりました。生成AI検索にも構造化データは要らないとGoogleは説明しています(出典2)。既に入れている場合は、ページに見えている内容と一致しているかを確かめます。
リッチリザルトが終わる前と後を整理すると、次のようになります。
| 項目 | FAQリッチリザルト(終了) | 2026年10月時点 |
|---|---|---|
| 表示場所 | Google検索結果のQ&A展開 | 通常の検索結果。AI Overview・ChatGPT・Perplexityの回答で出典として示されることもある |
| スキーマの役割 | 表示の前提条件だった | Googleの生成AI検索には要らない(出典2) |
| 質問文 | キーワード一致 | 実際に聞かれる言葉 |
| 回答文 | 簡潔さ | 結論を先に、単独で読んでも意味が通る文 |
| 効果測定 | Search ConsoleのFAQのレポート | Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート(AIによる概要・AIモードでの表示回数)、GA4のAI検索経由の訪問、問い合わせ経路の聞き取り |
AI検索から引用されるための考え方はChatGPT・Perplexityに自社サイトを引用させる方法でも解説しています。
質問設計の実務:5つの情報源から「本当に聞かれている質問」を集める
FAQページの出来は、質問の集め方で大きく変わります。FAQページで最も多い失敗は、社内の都合で「言いたいこと」を質問形式に偽装することです。誰にも検索されず、誰からも問い合わせられたことのない質問に答えても、読み手の役に立ちません。質問は頭の中で考えるのではなく、次の5つの情報源から収集します。
- 営業・カスタマーサポートへの実際の質問。 商談やサポート窓口で繰り返し聞かれる質問は、そのままFAQの一級素材です。営業担当に「直近1ヶ月でよく聞かれた質問を10個」とヒアリングするだけで、机上では出てこない言葉が集まります。
- Google Search Consoleの検索クエリ。 自社サイトに流入している疑問形クエリ(「〜とは」「〜 やり方」「〜 費用」)を抽出します。すでに接点のある検索意図に答えることから始めるのが効率的です。
- 検索サジェストと「他の人はこんな質問」。 ターゲットキーワードを検索した際に表示される関連質問は、実際に多くの人が持っている疑問の手がかりになります。
- 競合サイト・業界団体のFAQ。 競合が答えている質問のうち、自社の方が深く答えられるものを選びます。丸写しではなく「自社の経験で上書きできる質問」だけを採用します。
- 生成AIへの逆質問。 ChatGPTなどに「〇〇の導入を検討する企業がよく抱く疑問を20個挙げて」と聞き、1〜4で集めた質問の抜け漏れチェックに使います。AIの出力をそのまま採用するのではなく、検証用に使うのがポイントです。
質問文の書き方:良い例と悪い例
集めた質問は、読み手が使う「自然な会話文」に整えます。
| 観点 | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| 自然な疑問文 | 「料金について」 | 「FAQページの制作費用はいくらかかりますか?」 |
| 検索意図が1つ | 「導入の流れと費用と期間は?」 | 「導入完了までの期間はどのくらいですか?」(費用は別の質問に分ける) |
| 固有名詞・条件を含む | 「スマホで使えますか?」 | 「iPhoneのSafariでも全機能を利用できますか?」 |
| 宣伝でなく疑問 | 「なぜ当社が選ばれるのですか?」 | 「他社サービスとの違いは何ですか?」 |
| ユーザーの言葉 | 「LTV向上施策の有無」 | 「契約後のサポートには何が含まれますか?」 |
Googleの以前のFAQの構造化データのガイドライン(2026年6月にドキュメントを削除)は、FAQPageを宣伝目的で使わないこと、すべてのFAQの内容がページ上で見えることを求めていました。表示が終わった今も、自画自賛型の質問は読み手にとって逆効果です。
回答文の書き方:単独で読んでも伝わる5つの型
回答は、その部分だけを読んでも意味が通るように書きます。なお、Googleは、AIがコンテンツを理解するために細かく分割する必要はないとしています(出典2)。ここでの書き方は、読み手のためのものです。
- 結論先行。 1文目で「はい/いいえ」または結論の数値を述べます。「ケースバイケースです」で始めるより、答えられる条件を具体的に書きます。
- 100〜300字を目安に。 短すぎると情報が足りず、長すぎると読み手が要点をつかみにくくなります。
- 数値と出典を入れる。 KDD 2024で採択された論文「GEO: Generative Engine Optimization」(プリンストン大学・インド工科大学デリー校などの研究者)では、出典の明記・引用の追加・統計の追加が、生成AIの回答での見え方を上げた施策として報告されています(出典4)。ただし、この実験は研究用の仕組みとPerplexityで行われたもので、FAQの形式や構造化データを調べたものではありません。
- 主語を明示する。 「これは可能です」ではなく「FAQPageスキーマの実装は可能です」と書きます。段落だけを読んでも、誰が何の話をしているか伝わるようにします。
- 回答内で次の行動を示す。 「詳細は〇〇ページで確認できます」と内部リンクを添えると、読み手が次に読むページへ進みやすくなります。
改善前: 「料金はプランによって異なります。詳しくはお問い合わせください。」
改善後: 「AIO対策の費用は、スタンダードが月300,000円(税抜)からで、別に初期費用150,000円〜がかかり、最低6ヶ月、以降1ヶ月単位の自動更新です。現状を調べるAIO診断は契約後の初月に行い、月額に含まれます。」
改善後の文は、単独で切り出されても「誰の・何の・いくらの」話か伝わります。「お問い合わせください」で終わる回答は、読み手に情報を与えません。AI検索が引用元を選ぶ条件の考え方はAI検索で引用される5つの条件で解説しています。
FAQPageスキーマ(JSON-LD)の実装手順
FAQPageの構造化データを入れる場合の書き方です。Google検索での表示のためには役立たなくなったことを前提に、入れるかどうかを決めてください。
手順1: JSON-LDを記述する
次は書き方の例です。回答の中身は、貴社の実際の料金や期間に置き換えてください。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "AIO対策の費用はいくらですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "AIO対策の費用は、スタンダードが月300,000円(税抜)からで、別に初期費用150,000円〜がかかり、最低6ヶ月、以降1ヶ月単位の自動更新です。現状を調べるAIO診断は契約後の初月に行い、月額に含まれます。"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "導入完了までの期間はどのくらいですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "【ここに貴社の実際の期間と、期間が変わる条件を書きます】"
}
}
]
}
このJSON-LDを<script type="application/ld+json">で<head>内または本文内に設置します。
手順2: 書き方のルールを守る
以前のGoogleのFAQの構造化データのドキュメント(2026年6月に削除)は、次のような要件を定めていました。今はGoogleの表示の要件ではありませんが、Schema.orgの型を正しく使い、読み手を誤解させないためのルールとして参考になります。
mainEntityに有効なQuestionを1つ以上含める- 各
Questionに質問全文のnameと、AnswerオブジェクトのacceptedAnswerを含める Answerのtextには回答全文を入れる(リンク・リストなどのHTMLを含められる)- マークアップしたQ&Aは、すべてページ上でユーザーに見える状態にする(アコーディオン等の展開表示は可)
- 宣伝目的で使用しない
- 同じFAQが複数ページにある場合、マークアップはサイト内で1ページのみに設置する
- ユーザーが回答を投稿できるフォーラム・サポートページには使わない(その場合はQAPageを使う)
手順3: Schema Markup Validatorで検証する
実装後はSchema.orgの「Schema Markup Validator」(validator.schema.org)で文法エラーを確認します。FAQリッチリザルトはGoogle検索に表示されなくなったため、文法の確認はSchema Markup Validatorで行うのが実務的です。あわせて、回答テキストがJavaScript描画後にのみ表示される実装になっていないか、初期HTMLに回答が含まれているかも確認します。
手順4: AI側の見え方を確認する
公開から2〜4週間後、ChatGPT(Web検索オン)・Perplexity・Google AI Overviewに、FAQに収録した質問をそのまま入力し、自社が引用されるかを確認します。Googleの生成AI機能での表示回数は、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートでも確かめられます(出典5)。引用状況の確認観点はAI Overviewに引用される記事の条件とAI Overviewの表示条件|表示されない7つの原因が参考になります。
やってはいけないFAQの作り方
| NG例 | 何が問題か | 正しいやり方 |
|---|---|---|
| 全ページのフッターに同じFAQを設置 | 重複コンテンツになり、読み手にも役立たない | FAQは関連ページにだけ、内容を変えて設置 |
| 「お問い合わせください」で終わる回答 | 読み手に情報を与えない | 答えられる範囲で具体的に答え、補足として問い合わせ導線を置く |
| キーワード詰め込みの不自然な質問文 | ユーザー体験を損ない、品質評価を下げる | 顧客の言葉づかいをそのまま質問文にする |
| 回答をJavaScript描画後にのみ表示 | クローラーが回答を取得できない場合がある | 初期HTMLに回答テキストを含める(開閉はCSS/JSで制御) |
| 1ページに無関係な質問を100問詰め込む | ページテーマが曖昧になり、読み手も探しにくい | テーマ別にページを分割し、各ページの主題を明確化 |
質問文の書き直しを試すときの確かめ方
社内の用語・業界の用語で書かれた質問文(「LTV向上支援の範囲」など)を、営業の現場で実際に聞かれる言葉(「契約後のサポートには何が含まれますか?」)に書き直す作業は、手間が小さく試しやすい改善です。
効果を確かめるときは、書き直す前に、同じ質問をChatGPT・Perplexity・Google検索に入れて答えと出典を記録し、書き直したあとに同じ質問で比べます。AIの答えは聞くたびに変わるため、1回の結果では判断せず、日を変えて何度か記録してください。構造化データは「構造を伝える封筒」で、読み手にとっての価値を決めるのは、中身の質問と回答です。
工数とROIの試算例
FAQページ(20問)を内製する場合の工数とROIを試算します。数値は一般的な前提を置いたモデルケースです。
- 質問収集(営業ヒアリング+Search Console分析): 3時間
- 回答執筆(20問×30分): 10時間
- JSON-LD実装・検証: 2時間
- 合計: 15時間 → 人件費を時給3,000円とすると約45,000円
このFAQページが月10件の定型問い合わせを削減し(1件あたり対応15分=月2.5時間・約7,500円相当の削減)、さらにロングテール流入から月1件の新規商談(受注時の粗利10万円・受注率20%=期待値2万円/月)を生むと置くと、月あたりの効果は約2.8万円。約2ヶ月で制作コストを回収する計算になります。前提を自社の問い合わせ件数・粗利・受注率に置き換えて試算してみてください。外注する場合の費用感はAIO対策の費用相場|見積書の内訳と6ヶ月の総額が参考になります。
公開前チェックリスト
- 質問は営業・CS・Search Consoleなど実データから収集した
- 質問文は自然な疑問文で、1問につき検索意図は1つ
- 宣伝目的の質問(「なぜ当社が選ばれるのか」等)を入れていない
- 回答は結論先行・100〜300字を目安・主語明示
- 数値・統計には組織名と年つきの出典を明記した
- 「お問い合わせください」だけの回答が存在しない
- マークアップしたQ&Aがすべてページ上で見える
- FAQPageのJSON-LDを入れる場合は、Schema Markup Validatorでエラーゼロ
- 同じFAQのマークアップをサイト内で重複させていない
- 回答から関連ページへの内部リンクを設置した
- 公開2〜4週間後にAI検索での見え方の確認を予定に入れた
セルフチェックには無料のAIOチェックリストも活用できます。
まとめ:今日やる3つのこと
FAQリッチリザルトは2026年5月7日に終了しました(出典1)。それでもFAQページは、読み手の疑問に先回りして答える形式として、引き続き役に立ちます。今日やるべきことは3つです。
- 営業・サポート担当に「よく聞かれる質問を10個」ヒアリングする——質問設計の素材集めは今日中に始められます(30分)
- Search Consoleで疑問形クエリを抽出する——「とは」「やり方」「費用」で絞り込むだけです(30分)
- 既存FAQページの質問文を1本、ユーザーの言葉に書き直す——手間が小さく、試しやすい改善です(15分)
FAQの質問設計からFAQコンテンツの設計・構造化データの実装、AI検索での見え方の確認まで任せたい場合は、当社のAIO対策サービスをご検討ください。初回30分の無料相談で現状と目的を伺い、どのプランが合うかを判断します。スタンダード(月300,000円・税抜)では初月のAIO診断で現状のAI検索での見え方を調べたうえで、構造化データの実装とFAQコンテンツの設計、検索での表示とAI検索経由の流入の月次の確認まで、プレミアム(月500,000円・税抜)ではそれに加えてAI検索での言及状況の毎月の計測と記事制作まで行います。月額プランは初期費用150,000円〜(税抜)、最低6ヶ月(以降1ヶ月単位の自動更新)です。
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出典
確認日はいずれも2026-10-18です。
- Google 検索セントラル「Latest Google Search Documentation Updates」(ドキュメントの更新履歴)(確認日:2026-10-18)。2026年5月8日の項目で、FAQリッチリザルトが2026年5月7日からGoogle検索に表示されなくなると告知したこと、2026年6月の項目でFAQリッチリザルトのドキュメントを削除したこと
- Googleの生成AI機能向けガイド(2026年5月公開・日本語版の最終更新 2026年10月9日)(確認日:2026-10-18)。生成AI機能は検索インデックスから関連ページを取得して答えを作ること、生成AI検索向けの書き換え・コンテンツのチャンク化・生成AI検索のための構造化データは要らないこと
- Google 検索セントラル「強調スニペットについて」(確認日:2026-10-18)。強調スニペットはページ側で指定できず、Googleのシステムがふさわしいと判断した場合に表示されること
- Aggarwal ほか「GEO: Generative Engine Optimization」(arXiv・KDD 2024採択、確認日:2026-10-18)。出典の明記・引用の追加・統計の追加が生成AIの回答での見え方を上げたこと(最大40%)、実験は研究用の仕組みとPerplexityで行われ、FAQや構造化データは対象でないこと
- Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」(確認日:2026-10-18)。2026年8月31日にすべてのサイトに提供され、AIによる概要とAIモードでのリンクの表示回数を見られること