相見積もりで最も多い失敗は、前提が揃っていない見積りを金額だけで比べてしまうことです。 同じ業務でも、要件定義を含むか、テストをどこまでやるか、納品後のフォローがあるかで金額は数倍変わります。この記事では、比べられる見積りを取るための手順をまとめます。
依頼前に整理する5項目
各社に渡す情報が揃っていないと、返ってくる見積りの粒度も揃いません。次の5項目を書いたA4一枚を用意してください。
| # | 項目 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 1 | 対象業務 | いま誰が、何を、どうやっているか |
| 2 | 現在の工数 | 月あたり何時間かかっているか(実測) |
| 3 | 困っている点 | 時間なのか、ミスなのか、属人化なのか |
| 4 | 連携先 | つなぐ必要のある既存システム・ファイル |
| 5 | 予算の考え方 | 上限額、または回収したい期間 |
2番の実測値が最も重要です。 ここが「なんとなく多い」だと、各社が勝手に規模を想定するため、見積りがばらつきます。
5番は金額を出さなくても構いませんが、「初年度で回収したい」といった考え方を伝えると、提案の規模が揃います。
依頼文に含めてほしい項目を明示する
見積書の粒度を揃えるため、依頼時に次の一文を入れてください。
お見積りには、①要件定義 ②実装 ③テスト ④納品物(仕様書・コードの有無)⑤納品後のフォロー範囲 ⑥AI利用料(開発費に含むか実費か)を、それぞれ分けてご記載ください。
⑥を明示するのがポイントです。 生成AIを使う開発では、納品後に従量課金が発生します。これが見積りに書かれていないと、運用開始後に想定外の請求になります。計算方法はAI開発のAPI利用料で解説しています。
届いた見積りを横並びにする
3社分を次の表に整理してください。金額だけの比較表にしないことが重要です。
| 項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 総額 | |||
| 要件定義が含まれるか | |||
| 想定期間 | |||
| 納品物(仕様書・コード) | |||
| テストの範囲 | |||
| 納品後のフォロー | |||
| AI利用料の扱い | |||
| 改修時の単価 | |||
| 担当者は誰か(再委託の有無) |
空欄が多い会社が悪いわけではありません。 空欄は「聞けば分かる」項目です。ただし聞いても明確にならない項目があれば、そこが着手後にずれる箇所になります。
金額差の理由を分類する
3社の金額が違うとき、理由はたいてい次のどれかです。
| 理由 | 見分け方 |
|---|---|
| 想定範囲が違う | 機能数・画面数の記載を比べる |
| 要件定義の扱いが違う | 別途か、含むか |
| 品質水準の想定が違う | テスト工数の記載を比べる |
| 体制の規模が違う | 何名が何ヶ月関わる想定か |
| 納品後の扱いが違う | フォロー期間の記載を比べる |
「想定範囲が違う」が最も多い理由です。 この場合は、範囲を狭いほうに揃えて再見積りを依頼すると、比較できる数字になります。
安い見積りで確認すべき3点
- 要件定義が含まれているか — 含まれていない場合、仕様のずれは発注側の責任になりやすい
- 納品物にコードと仕様書が含まれるか — 含まれないと他社に引き継げない
- 改修時の単価が明示されているか — 明示がないと、後から高くなることがある
3点とも「安いこと自体が問題」ではなく、「後から差が出る箇所」です。 安くて範囲も明確なら、その会社を選ぶ理由になります。
提案の中身で見るべきこと
見積書とあわせて、次の点を確認してください。
- 対象業務について、こちらが説明していないことを質問してくるか
- 「やらなくてよいこと」を提案に含めているか
- 失敗しうる箇所を先に伝えてくるか
3つ目が特に判断材料になります。 うまくいく話だけをする提案は、着手後にずれが出たときの対応が読めません。当社では初回相談の段階で「今回は開発しないほうがよい」と判断した場合、その旨をお伝えしています。
発注後に前提が変わったとき
進めるうちに要件が変わるのは普通のことです。着手時に「変更の扱い」を決めておいてください。
- 変更が発生したときの見積り方法(都度見積りか、時間単価か)
- どこまでが当初範囲内の調整か
- 期間への影響をどう扱うか
これを決めておくと、変更のたびに交渉が発生しません。
当社の費用
| プラン | 費用(税抜) | 対象 |
|---|---|---|
| 業務自動化ミニ開発 | 300,000円〜(単発) | 1業務・2〜4週間・納品後1ヶ月フォロー付き |
| AI組込み開発 | 800,000円〜(要件見積) | 社内チャットボット・RAG・業務アプリ |
| AI開発顧問 | 300,000円/月 | 内製化の伴走・最低3ヶ月 |
相見積もりであることを前提にご相談いただいて構いません。他社の見積書をお持ちいただき、内訳の見方をご説明することもできます。
初回30分の相談は無料・オンライン対応・秘密厳守です。
まとめ
- 前提が揃っていない見積りを金額だけで比べない
- 依頼前に「対象業務・現在の工数・困っている点・連携先・予算の考え方」をA4一枚に
- 依頼文で見積りに分けて書いてほしい6項目を明示する
- AI利用料の扱いを必ず見積りに入れてもらう
- 金額差の最多の理由は「想定範囲の違い」。狭いほうに揃えて再見積り
- 失敗しうる箇所を先に伝えてくるかが判断材料になる
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